オピニオン 特別報道

【特別報道】中国共産党を排除すれば 習近平氏は歴史上の英雄になる

2016/05/28
更新: 2023/11/26

中華民族は重要な転換点に差し掛かっており、中国共産党による約百年の踏みにじりと侮辱と破壊のため、いまや深刻な危機に陥っている。共産党による民族と国民への迫害の制止を急がなければならない。現在中国の情勢は未曾有の変化をみせている。この特殊な時代において、「豪傑の士」が時勢に沿って偉業を成し遂げれば、中華民族を明るい未来へ導くことができる。それについては、特別な立場にいる習近平氏は実に優位にあり、天意に沿って行動し、共産党を捨て、民族の危機を回避させることができれば、歴史にその名を刻むことができる。中華民族も共産党を排除した後、真の復興と盛んな時代を迎えることになるだろう。

中華民族への迫害

中華民族は幸運な民族で、神の加護と導きを受けていた。無数回の天災や人災、異民族の侵略と戦争に耐えてきたこの民族は力強く5千年の歴史を歩み通し、神から伝えられた輝かしい文化を築いた。

一方で、中華民族は不幸な民族でもある。20世紀の20年代から、共産党という邪教が中国に上陸し、8千万から1億人の命を奪った。共産党は中国人の価値観を壊すために宗教への取り締まりを始め、その後の文化大革命で、古典や文化財、寺院、遺跡を大規模に破壊するなど、中華民族の文化を根絶してきた。

中華民族は、人種ではなく一種の文化であり、漢民族と異なる少数民族をも総じて中華民族と称している。共産党による中華伝統文化根絶の政策は実質上、中華民族を絶滅させるための政策である。

それでも中華民族は幸運だ。1992年、李洪志氏が悠久な宇宙の智慧である修煉法・法輪功を伝え始めた。その「真・善・忍」の理念は古代中華文化の精髄である。これにより、伝統的信仰と文化が絶滅される間際の中国人は、神とつながり、信仰を取り戻すことができ、自分たちの文化の源を発見できた。当時の中国政府系メディアは、法輪功の愛好者が7千万~1億人に達したと報じた。これらの人々は身体の健康を得ただけでなく、道徳も向上した。もし、中国共産党が法輪功を弾圧しなければ、政権もその恩恵を受けることになり、共産党には選択するチャンスがあった。

しかし中華民族はやはり不幸な運命にさらされた。共産党の元トップ江沢民とその側近たちは法輪功弾圧を推し進め、ジェノサイド(集団殺害)の政策を実行し、法輪功愛好者に対する大規模な臓器収奪で暴利を得てきた。まさに中華民族の命綱である「正しい信仰、道徳及び神とのつながり」を断ち切り、中華民族を絶滅させようとしてきたのである。

今日の中国は、伝統的な風習・文化・信仰をほぼ喪失し、環境や経済、政治、社会など各方面の危機がいっそう顕著になっている。土壌・大気・河川の汚染や、政治と社会不安に起因する深刻な汚職・腐敗、大規模な資金の国外流出、氾濫する有毒食品、国民全体の重度の人間不信による社会全般の信頼への危機などの難題が山積みだ。このような民族に明るい未来はない。

江沢民逮捕が第一歩

これら各方面の危機を招いた根本的な原因は、共産党政治体制と、「真・善・忍」を信仰する大勢の国民に対する長年の迫害にある。江沢民とその政治グループのメンバーを逮捕し、中国共産党を排除することは、中華民族の危機を回避するための必要不可欠な第一歩で、習近平氏の政権運営を守るための重要なポイントである。

江沢民は1989年、学生民主化運動「六四天安門事件」への武力弾圧を支持したことが評価され、共産党トップに大抜擢され現在に至るまで、共産党体制の権力の中枢にしがみ付いている。その後の胡錦濤政権では、江は側近で最高指導部メンバーである周永康(無期懲役刑服役中)、賈慶林、李長春、呉邦国、軍最高指導部の郭伯雄(逮捕され捜査中)と徐才厚(本年3月に病死)を駆使して、胡・温両氏の政権運営を抑制した。政令が「中南海(官邸)から出られない」と揶揄されるほどに両氏は政権を主導できなかった。その後の習近平政権に対して、江沢民グループは就任早々の習氏暗殺、脅しなどで政権の主導権を奪還しようとした。

12年に起きた王立軍の米領事館亡命未遂事件をきっかけに、熾烈な権力闘争劇が繰り広げられ、悪事をやり尽した江沢民グループは現在完全に不利な状況に陥っている。薄熙来、李東生、徐才厚、周永康、郭伯雄が相次ぎ失脚し、訴追、無期懲役などの有罪判決を受けた。劉雲山(党中央書記処常務書記、党中央政治局常務委員)、張高麗(副総理、党中央政治局常務委員)、曽慶紅(元国家副主席)、江沢民の地位も危うくなり、汚職撲滅運動のなかで徐々に粛清されるだろう。

習氏はトップ就任後、法輪功弾圧の主要手段である労働教養制度を廃止、江沢民グループの政権後継者とみなされた薄熙来に無期懲役を科した。習氏直轄の中央国家安全委員会を立ち上げ、軍最高指導部の江沢民の側近を粛清することで、江沢民グループが企む政変の道筋をも断った。現在、同グループが牛耳っていた宣伝・経済分野の汚職取り締まりが進められており、その権力を全面的に回収している。

習氏は緻密な計画を立て、用心深く一歩一歩と江沢民グループを追い込んでいる。揺るぎない決心と優れた政治的手腕の持ち主でなければ、実行できるはずがない。いまでは、江沢民本人をはじめ残存するメンバーたちは戦々恐々の日々を送っているはずだ。

中国共産党の歴史上では、最高権力をめぐる闘争はいずれも命をかけた危険極まりない流血の戦いだった。習氏が江沢民らに法的裁きを受けさせることができなければ、自身の政治権力と命が今後奪われるだけでなく、家族や側近をも危険に巻き込むことになる。

現在の中国では、汚職集団である江沢民グループに対して国民全体が強い不満を抱いている。18万人以上の法輪功愛好者が最高人民検察院・最高人民法院に江沢民の法輪功弾圧の刑事責任を求めて告訴・告発状を提出した。江沢民の罪を裁くことは、中国社会が安定する重要な鍵となる。

共産党解体を

江沢民を逮捕しても、習氏はさらに一大決心をしなければならない。共産党を解体することだ。理由は、共産党体制そのものが悪を生み出す根源で、悪の保護者であり、引き続き中華民族に危害を加え、習氏の目前に迫る脅威であるからだ。

習氏就任後の経済改革は共産党体制内で実行しているため、成功の可能性はない。経済が持続的な高成長を保てないことで、中国はいま大きな危機に直面し、世界をも巻き込んでいる。

一方、江沢民グループを粛清する過程で、習氏は党、軍、経済界、外交、公安など各分野で大勢の敵を作った。その一方で、国民は腐敗官僚集団である江沢民グループに強い怒りを持っているため、習氏の行動は国民の支持を得ているのも事実で、波乱万丈ながらも今日にまで至った。

しかし、いま政権の主導権を握っている習氏に政敵らは歯を食いしばって沈黙しているが、将来、いったん習氏がトップの座を降りれば、政敵らは必ず復讐してくる。場合によっては習氏に汚職や殺人などの罪を着せるのも容易いことだ。そうなれば、本人だけでなく一族全員が捕えられるであろう。

大紀元の社説『共産党についての九つの論評』が分析したように、中国共産党は真の邪教集団である。共産党政権下の中国のトップはその罪を背負うことになり、中華民族の信仰・文化を壊滅し、最終的には民族そのものを根絶させる任務を実行するしかない。従わなかった元トップたち、例えば胡耀邦氏と趙紫陽氏は、解任または終生軟禁の運命となった。胡錦濤氏や温家宝氏らは江沢民にけん制され、屈辱を受けながらも政治手腕を発揮できなかった。

過去60数年間の共産党の歴史を鑑みると、習氏には二つの選択肢しかない。一つは、共産党を引き続き延命させ、その罪を背負うと同時に新たな罪を作る。もう一つは、共産党を解体し、中国を自由な社会に変えることだ。抱負と智慧を持つ習氏は、悪に追随し歴史に悪名を刻むことを躊躇するだろう。

中華民族の繁栄は共産党に頼る必要はない。5千年の輝かしい歴史は共産党といかなる関係もなかった。逆にいうと、共産党は中国社会及び国民を縛り付ける鎖と牢獄であり、発展の最大の障碍といえる。習氏にとって、共産党を解体することは、大義名分のためにも、自分の身を守るためにも、当然で然るべき選択肢である。

中国が自由な社会となり、司法と報道機関が政治に支配されなくなったとき、習氏ははじめて政敵が用意する濡れ衣を着ることもなく、一族の安全も保障される。同時に、共産党を解体できれば、その偉業は永遠に歴史に記されるのである。たとえ過去に共産党体制下で不本意な言動があったとしても、国民全体の理解と寛容を得られるはずだ。

中華民族は共産党を解体しなければならず、そのマインドコントロールから脱却すべきである。共産党の組織を完全に壊すだけでなく、イデオロギーの面での共産党文化を徹底的に取り除き、本物の民族文化を復興させることが必要だ。

中国初代の大統領に

江沢民を逮捕し、法輪功弾圧を中止することができれば、習氏の歴史的地位は、ミラノ勅令を発布し、300年に及ぶキリスト教への弾圧を終焉させたコンスタンティヌス1世と同等になる。いや、習氏にできることはそれ以上だ。

中国の政治、経済、文化の分野における全面的復興を目指し、アヘン戦争以来の近・現代化過程で受けてきた挫折、屈辱、深い苦難から民族を救い出すことができる。

政治分野では、多党制、報道の自由、結社の自由を実現できる。未来の中国が民主国家に変わるなら、習氏は共産党解体という大きな貢献で国民の強い支持を勝ち取り、選挙で初代大統領に選ばれるであろう。そして中国の新しい道のりがはじまる。そのとき、習氏は国際社会の評価と称賛を受けるはずだ。

経済の分野では、政局が安定して、経済が持ち直し再び発展を遂げ、文化の分野では、これまでの公開談話で中華伝統文化への支持を示した習氏は復興に尽力するだろう。もう一つの課題は、中国社会全体に浸透した共産党のイデオロギーを根絶させることだ。

また、教育、医療、社会保障、環境保護など諸々の産業をも抜本的に立て直すことになるだろう。

結論

現在、2億人以上の中国人が大紀元のウェブサイトで中国共産党とその関連組織「共産主義青年団」「少年先鋒隊」からの離脱を声明した。もし、習氏が中国共産党を解体し、中国を民主国家に転換させるという偉業を果たすことができれば、それは同氏個人の栄耀だけでなく、中華民族の幸運でもある。

歴史は習氏にチャンスを与えようとしている。この機運を生かせるかどうかは本人次第だ。

(翻訳・叶子)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。