朴槿恵氏弾劾と同時に始まる韓国大統領選 気になる朴氏の今後

2017/03/11
更新: 2017/03/11

韓流ドラマ顔負けの朴槿恵(パク・クネ)事件が10日、弾劾決議成立で幕を閉じた。朴氏は韓国史上初の弾劾された大統領となった。次期大統領選は60日後に予定されている。朴槿恵氏の今後も気になるところだ。

 弾劾決議は裁判官全員一致

10日11時頃、憲法裁判所の8人の裁判官が全員一致で大統領弾劾の判決を下した。同裁判所は、「憲法を守る点から判断して、朴槿恵氏の一連の行為は到底認容のできない重大な違法行為」であり、国会が提出した一部の事実は成立しないものの、友人の崔順実(チェ・スンシル)氏の国政干渉等の事実は罷免事由に相当すると判断した。

弾劾判決が下された後、裁判所外の民衆は「民意が勝利した」「韓国はやっぱり民主的な国家だ」などと歓喜のあまり叫ぶ様子が見られた。弾劾判決前日に行われた世論調査によると、朴槿恵氏弾劾を支持する韓国国民は8割以上に上った。

韓国憲法裁判所は一審終局制のため、被告は判決に異議申し立てをすることができない。弾劾判決により、朴槿恵氏は韓国史上初の弾劾された大統領となった。2004年には盧武鉉(ノ・ムヒョン)・元大統領が朴槿恵氏主導の国会に弾劾されたが、大多数の韓国国民が反対したため、憲法裁判所は弾劾決議を下さなかった。

韓国憲法裁判所法定内部(KIM MIN-HEE/AFP/Getty Images)
弾劾判決を聞き喜ぶ市民(全景林/大紀元)

 韓国大統領選が始まる

朴槿恵氏弾劾が決まった10日から選挙が正式に始まった。韓国選挙管理委員会によると、弾劾決議可決後60日以内に大統領選が行われなければならない。5月初旬には長期休暇があり、ちょうど60日後に当たる5月9日に選挙が行われる可能性が高い。

韓国世論調査機関によると、野党の「共に民主党」候補文在寅氏が10週連続トップを独走し、32%の支持率を獲得している。二位は忠清南道知事・安熙正氏で支持率17%、続いては国民の党の元党首安哲秀氏と大統領代理・黄教安氏が共に9%で、城南市長李在明氏は8%となっている。

 朴槿恵氏の今後

韓国の法律により、弾劾された朴槿恵氏は即日大統領府を去り、一市民として5年間、公職に就くことを禁じられる。高額な大統領年金等の資金的援助や最長15年間の警護、個人オフィスや個人ドライバー等のサポートが受けられず、残るのは5年間の警護だけだ。

しかし朴氏にとって最も心配なのは年金や各種サポートではなく、元首としての不逮捕特権だ。平民となれば朴氏は収賄等の疑いで刑事訴追される可能性がある。朴氏はすでに独立検察チームにより収賄や職権乱用、国家機密漏えいや医療法違反等の13のに問われている。

(翻訳・文亮)