[ワシントン 10日 ロイター] – 米電気自動車(EV)大手テスラの「モデルS」が先月、テキサス州ヒューストン近郊で起こした死亡事故について、米運輸安全委員会(NTSB)は10日、運転支援システム「オートパイロット」の構成要素である自動操舵(そうだ)機能が使えない状況だったとの初期調査結果を発表した。
ただ、もう一つの構成要素であるクルーズコントロール機能は作動していた可能性があるとした。
NTSBは報告で、オートパイロットはこの2機能で構成されていると明記。交通量感知型クルーズコントロールは車両の走行スピードと先行車との距離を制御し、自動操舵は正しい経路に車両を誘導する。両方が作動して初めてオートパイロットが機能していると見なされる。
報告書は事故の原因と状況について結論を示さなかった。NTSBと地元警察は調査を継続している。
地元警察はこれまで、4月17日の事故発生当時、運転席は無人だったようだとの見解を示している。
NTSBによると、事故現場で実際に車両を用いて状況を再現した結果、同クルーズコントロールは作動できる状態だったが、自動操舵は事故が起きた一角では使用できないことが明らかになった。
同クルーズコントロールは走行スピードを周辺の車両に合わせる機能で、自動操舵は車線がはっきり示された道路で操舵を支援する機能だとテスラは説明している。
NTSBはまた、車の所有者の自宅にある防犯カメラに収められた動画では、所有者が運転席に、もう1人が助手席に入るのが映されていると明らかにした。2人は事故で死亡した。
テスラは4月27日の電話による決算会見で、捜査当局との検証で、事故現場の道路状況では自動操舵機能は「作動できず、しなかった」ことが示されたと指摘していた。
NTSBによると、衝突によってバッテリーケースの前部が損傷し、出火。車両は炎上し、車載ストレージ機器を含めて大破した。走行スピードやシートベルトの使用、加速状況、エアバッグの作動などを記録できるコントロールモジュールは回収できたが、炎上で損傷を受けているという。
米道路交通安全局(NHTSA)も同事故について調査している。
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