[ブリュッセル 19日 ロイター] – 欧州各国は19日、アジア欧州会議(ASEM)首脳会合で中国に対して市場を開放するように促した。会合ではフランスと英国、ドイツ、イタリア、欧州連合(EU)欧州委員会が中国の李克強首相と個別に協議を設け、欧州企業による中国市場のアクセスを改善するように求めた。
集合写真で李克強首相は他の50人の首脳らの中心に立ち、中国の存在感を示した。
中国は何年もの間、海外投資規制を緩和すると宣言してきたが、欧米諸国は、大きな変化がないだけでなく、習近平国家主席の下、国家統制が厳しくなっているとの不安をあらわにしている。
EUと米国は、中国が国内の銀行を通して国有企業に出資し、こうした企業が世界市場を支配することに加担していると指摘する。中国も加盟する世界貿易機関(WTO)のルールに違反する行為とされる。
首脳会合終了時に発表された声明では「公平な競争条件における自由で開かれた貿易」そして「全ての保護主義的な政策との闘い」に重点を置いた。トランプ米大統領による中国への輸入制限措置に間接的に言及する内容だ。
EUは会合の最後に、シンガポールのリー・シェンロン首相とEU・シンガポール自由貿易協定(FTA)に署名した。協定は2010年に交渉が開始し、14年に妥結したが、他の通商協定への批判が高まる中でEU・シンガポールFTAもEU司法裁判所の審査を通ることになった。19日の書名後も欧州議会での採決が必要となる。欧州委員会は議会の承認を経て、19年に発効したい意向だ。
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