[東京 10日 ロイター] – 防衛省は10日、航空自衛隊三沢基地(青森県)の最新鋭ステルス戦闘機、F35A戦闘機が墜落した事故で、墜落原因は推力の喪失や機体構造上の不具合ではなく、操縦者の「空間識失調」(平衡感覚を失った状況)による急降下が原因である可能性が高いとの報告書を発表した。
事故は今年4月9日午後7時27分ごろ、三沢基地から東方約135キロメートルの太平洋上で発生。操縦していた細見彰里3等空佐は行方不明となった。
今回の報告書によると、当該機は米軍機との離隔距離をとるための降下指示を受けて、同日午後7時26分ごろ左降下旋回を開始した。その直後、レーダー航跡が消失し、直後に墜落した。降下速度は1100キロメートルで、緊急脱出が行われた形跡は確認されなかった。
このため、操縦者が平衡感覚を失った状態である「空間識失調」に陥り、急降下しているとの認識がないまま、墜落した可能性が高いと推定している。
一方、推力の喪失や機体構造上の不具合の可能性はないと結論づけている。
そのうえで空間識失調に備えた対策を実施していくとの方針も打ち出した。
(田巻一彦)
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