[ワシントン 1日 ロイター] – 米政府は31日、イラン産原油輸送に関与したとして9月に制裁対象に指定した中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)の子会社2社のうち、1社について指定を解除したと発表した。通商交渉での中国側の抗議に対応した。
昨年9月25日に2社が制裁指定されたのを受け、世界的にタンカー運賃が急騰し、海運市場に動揺が広がった。[nL3N26W1S2]
米財務省の31日の発表によると、制裁指定を解除されたのは大連中遠海運油品運輸で、大連中遠海運船員船舶管理は指定が維持された。
米政府当局者は、1社への制裁を継続することで、トランプ政権は引き続き中国やコスコにイラン産原油の取り扱いを中止するよう圧力をかけることができると指摘した。
中国政府の立場に詳しい関係筋によると、米中通商交渉で中国の高官がコスコの問題を提起したという。米中両政府は1月に「第1段階」通商合意に署名した。
ある米政府高官は1日、1社の制裁指定解除はイランに対する「最大限の圧力」を緩めるという意味はないと指摘。「政策の変更と誤って解釈されるべきではない」としたうえで、「最大限の圧力政策は今までと同様に続く。制裁に値する活動には制裁を発動する」と述べた。
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