工場従業員数千人が連続7日の大スト、徒歩で北京陳情=河北省

2009/04/05
更新: 2009/04/05

【大紀元日本4月5日】中国河北省保定市の依綿グループで連続7日間ストが続き、資本家側の設備移転を阻止するため、数千人の工場従業員が工場を囲み、昼夜を問わず見張っている。現場にいた従業員の話では2日になってもストは続いており、3日にはさらに多くの従業員が北京へ徒歩で陳情に向い、政府職員、警察と対峙。現地政府が作業組(問題のある職場に派遣され短期間に整頓・監督・指導工作にあたるグループ)を派遣してはいるものの、従業員たちの訴えははぐらかされており問題は未解決のままだ。

今回の工場全従業員による大規模スト原因は、数千人の従業員が先月末に工場が密かに売却された事実を知った。だが同工場の100%ではなく3、4千人の従業員だけが残され、中国紡績工業部が保定市管轄県内に新たに設置した工場で引き続き就業し、残りの人員はすべて削減されることを知らされなかった為、先週金曜から定年した従業員も含む一万人近い人々が自ら工場の資産を守りにやってきたのだという。

現場にいた劉さんは記者に対し、「現在ストを始めて7日目だ。彼らは従業員の合同解雇、操業停止、工場の売却をし、役人みたいに金を全て分け、工場を着服し、食らい尽し、売り尽してしまった。現在従業員は皆、仕方なく生活している。一部の者は北京へ陳情しに行っており、明日も何人かが行く」と話していた。

また別の従業員は、「我々は工場の中にいて工場を守っている。彼らは設備を売却しようとしているため、従業員が工場を守りだした。ある年配女性、年配の従業員、さらには若い従業員も自ら工場を守る組織を作った。工場に来て人々の声を聞いて見ればよい。80歳の老人から職歴数十年の従業員、定年退職した者、古い幹部が皆、正義を広めている。今はストのピーク時であり、従業員たちは非常に憤慨している」と話した。

現在この工場には毎日3、4千人の従業員がかわるがわる工場の資産を守り、資本家側が機器設備を持ち出せないよう外部の者が勝手に進入出来ないようにしている。現地政府は劉副市長率いる工作組を派遣し工場に入り調査研究をさせ、多くの私服警官も派遣され、従業員たちの権利保護の動態を監視している。

劉さんは、「市政府は工作組を派遣し調査研究を行い、秩序を維持し、実際は監督・談判をしたが皆、問題を解決せず仕事をしないため、外には多くの私服警官、警官が2、3百人いる。我々は自由に出入り出来ず、彼らに捕まえられるのではないかと不安だ。我々は自発的に発足した組織であり、指導者組織ではない。加えて定年退職した者7,8千人、憤慨した従業員たちは工場の入口2か所を封鎖した。現在、保定は情報封鎖され公開されていない」と説明した。

工場には従業員により“一綿を返して悪人を厳しく罰せよ・中央政府が派遣した工作組に依綿の厳しい監査を強く要求する・命をかけて古い一綿の作った偉業を守る”と書かれた抗議横断幕が掛けられている。今回の事で、早い時期から2千人以上の従業員たちが自ら市政府に陳情しており、当局は数人の従業員を逮捕し15日間拘留した後釈放しているという。

記者が保定市政府オフィスにスト問題の問い合わせ電話をかけたところ、ある職員はこの事をよく知らない、宣伝部門を通すようにと答えた。

保定依綿グループは50年の歴史を持つ古い企業であり、2003年時点で従業員は9021人。同企業は2004年に会社改変を行い、ゼロ資産は100%株券を”全体売却“方式で売り出し、香港の中策グループにより全体買収。その後、同グループはさらに亜紡企業を成立。今回の改変の中で同工場の多くの従業員は”切れ買い“され、就労年限が終わり、約4千人の従業員が残され、引き続き勤務する。

同工場職員は保定依綿グループに対し改変前後の国有資産の重大な流出、支払いの滞りを含む在職従業員の経済補償、養老保険など種々の違法問題について現地政府に従業員らの納得する説明を要求。さらに中央政府が派遣した工作組に改変前の同グループの資産を審査するよう求めた。

北京陳情に向かう人々(民生観察)

従業員たちの抗議の横断幕(大紀元)

従業員たちの抗議の横断幕(大紀元)

政府の告示(大紀元)

工場の北門(大紀元)

河北省保定市依綿グループで続く大規模ストライキの様子(大紀元)

*数千人の失業した元工場従業員ら徒歩で北京陳情

4日朝8時、河北省保定市依綿グループ2千人以上の従業員が徒歩での北京陳情を始めたが、当局は多くの警察官を派遣しこれらの人々を阻止した。ある従業員が、「我々は現在北京に向かう途中だ。2千人以上の従業員が北京へ陳情するため依綿から歩き出し、現在保定市から15km離れた曹河料金所にいる。7、80台の車両がやって来て我々を北京へ行かせないようにしている」と話した。

「現在公安は焦っており、現地政府が大型車両、バス、パトカー、乗用車など7,80台の車両を派遣しこれらの人々を送り返そうと準備している。両者は対峙状態となり、ある従業員は歩き続けているが、横断幕は全て取り上げられてしまった」

夕方6時を過ぎ、人々はおよそ25km先の徐水県市街地に到着。保定市、徐水県職員、警察官が現場におり、対峙が続く。同時に保定市は20台以上の大型バスを手配し従業員らに車で帰るよう手を尽くしたが彼らの多くは乗車を拒否していたという。

「6時過ぎになり、依綿から北京に陳情へ向かった人々は徐水県に着いた。現地政府職員と数百人の公安が現場で警戒に当たり、保定市も20台以上の大型バスを手配し従業員たちに帰るよう呼びかけたが、皆乗車を拒否した」と従業員の一人である劉さんは話している。

政府メディア新華社は珍しく英文通信で外部へ情報を伝えている。この情報によると、金曜朝8時、千人以上の従業員が歩行あるいは自転車に乗り、北京へ向け国道107号線沿い140km地点を移動中とのことだ。

新華社は匿名の抗議者の話を引用し、同工場4千人の従業員の多くが今回のデモに参加したと伝えた。

この他、中国のメディアが4日午後、数千人の工場従業員が北京へ向かっていると報道。しかしこれらの人々の行動を“旅行”と称している。

*当局は八百人の武装警察を派遣。工場従業員らを強制退去

4日朝に得た情報によると、これら陳情に向かった人々が当局により強制的に保定市に帰されたという。人々は、権利保護は地に落ちたと話す。

「今日午前1時には皆が連れ戻された。この2日間は非常に疲れたため、昨日はある従業員が倒れて入院した。道路の両側にはパトカーが止まり、7、80台の車両や警察が徐水県交差点に集中した。武装警察は3重に配備され、人々は通過することが出来ず7、8百人の若い兵士や警察により年配者は連れて行かれた」と劉さんは話している。

(民生観察)

徒歩あるいは自転車に乗り陳情に向かう人々(大紀元)

徒歩で北京陳情へ向かう人々(大紀元)



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北京陳情へ向かう人々の様子(youmaker)

(記者・古清児、翻訳編集・坂本)