支援部隊の「軽装」に非難 「経済大国なのに防護服を買えないのか」

2015/08/19
更新: 2015/08/19

中国天津市で起きた大規模の化学物質爆発事故で、中国ニュースサイト「財経網」が載せた一枚が物議を醸している。簡素なマスクを装着し、スコップを持ち、消火活動に臨む軍の支援部隊の写真だ。現場では有害物質が発生していると伝えられており、「兵士たちの命を粗末に扱っている」とユーザーの批判が噴出した。

「経済大国だと誇示している割には、数百着の防護服を買う金もないのか」

「軍人たちが防毒マスクを着用したら、『いったいどんな有毒物質が漏れているのか』と社会不安を起こすだろう。国の安定のため、ここは軍人たちにわが身を捨てて、犠牲になってもらうしかない」

「私は軍人たちの『雄姿』に感動しない。むしろ心を痛めるだけ」

「いつものようにまた後で、軍人たちの愛国心を讃えるであろう。可哀想すぎる。くれぐれもお大事に」

「抗議行動を制圧する現場では、装甲車や武器を投じて莫大な金を費やすのに、人の命がかかわる消火現場では、それは必要ないのか」

「市長と副市長がまず率先してこの装備で現場に入れ」

中国メディアは、爆発現場の倉庫関係者からの情報として、現場には有毒化学物質の青酸ナトリウム700トンが保管されていると報じ、漏えいや再度爆発が懸念されている。

化学物質倉庫が団地など人の住む場所に隣接する地域は、中国全土に分布している。2006年に行われた中国国家環境保護総局の調査によると、都市や人口密集地に隣接する化学工場・倉庫は各地で約2489カ所ある。

中国政府の最新発表によれば、15日までの死者は104人。インターネットには「現場周辺の大勢の住民が甚大な被害を受けた。死者は数千人に達する」などの情報が流れている。

(翻訳編集・叶子)