[ブラジリア 21日 ロイター] – ブラジルのボルソナロ大統領は当初、新型コロナウイルスワクチン購入を全く考えておらず、集団免疫を獲得してコロナウイルスを克服できると考えていたと、危機対応に関する調査を主導したレナン・カルヘイロス上院議員が21日、インタビューで述べた。
同議員は「大統領は最初にこの病気を否定し、単なる流感と呼び、次に外出制限やロックダウン(都市封鎖)に反対した。さらにマスクの着用を軽視し、人々の集会を奨励した」と指摘。人々が集まることによってウイルスの拡散を促し、自然に集団免疫を付けさせることが狙いだったとの考えを示した。
また、これが大統領がコロナワクチン購入を望まなかった理由だとし、パンデミック(世界的大流行)初期に議会が承認した数十億ドルの資金を海外からのワクチン購入に充てる判断が遅れたと批判した。
ただ、大統領の行動が犯罪行為に当たるかどうか判断するのは時期尚早で、さらなる調査が必要だと述べた。
大統領府からのコメントは得られていない。
カルヘイロス氏はベテラン議員で、ボルソナロ大統領に対し批判的な見方を持っている。その調査報告は、海外製薬会社との交渉長期化やアマゾナス州で発見された変異種への対応の不手際など、ワクチンの確保における政府の対応の遅れに焦点を当てるとみられている。
ブラジルの新型コロナ感染者数は約1600万人。死者は約45万人を記録しており、米国に次いで世界で2番目に多い。
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