人気シリーズ「中国ネット小話」第5弾。日本に住んでいると、「邪悪さ」「凶悪さ」が何かとは、感じにくいかもしれない。いっぽう、共産党が独裁体制を敷く隣国・中国では、堂々と悪徳な人物が権力を握るため、道義を無視した不正がまかり通る社会環境にある。この地で「正義」「誠実」を見出すことは難しいが、ひとたび真理を見つけたら「決して手放さない」と神に誓って勇気を示す人がいる国でもある。
例えば、不利益を被っても裁判で真実を問う人権弁護士のように。例えば、投獄のリスクを冒して事実を報道しようとするジャーナリストのように。そして、連行され拷問を受けても、信条を硬く貫く法輪功学習者のように。彼らのような芯の強さを、検閲の網をかいくぐりながら小話で中国社会問題を訴えるネットユーザの言葉の端々にも、感じることができる。
今回も、中国ネットユーザによる、ウィットにとんだ小話が並んだ。自由と独裁の政治について比較した「前者は天才によってつくられた、バカでも運用できる制度。後者はバカによってつくられた、天才でも運用できない制度」との例えには、思わず「座布団一枚!」と言いたくなった。
【中国人を相手に判定・仕分けする基準】
レベル1:嘘をつかない=未成年
レベル2:嘘もつける=中国共産主義青年団員(共産党員の予備軍)
レベル3:平気でうそをつく=中国共産党党員
レベル4:堂々とかつ自信満々に嘘をつく=政府職員
レベル5:うそ発見器で測定不能=政府高官
【家あっての国】
テレビをつけるとよく「国は千万の家。国あってこその家」という宣伝文句が流れてくる。これを聞くたび、なんだか腑に落ちないと思っていた。「国が千万の家」だというのなら、後半部分は「家あっての国」となるべきじゃないか?「国あっての家」になるわけがない。だったら「壁は千万のレンガ。壁あってこそのレンガだ」といういい方も正しいはずだ。こんな何の道理もないバカバカしい話なのに、アンポンタンはまだ信じている。
【ないものまで奪うとは…】
中国共産党は人民の所有物を奪うだけでなく、一度も持ったことのないものまで奪い去る。よく裁判で有罪判決が下されるとき「○○年間、政治的権利をはく奪する」などと耳にするが、政治的権利とは要するに、被選挙権があるとか、言論や結社、政党を作る自由が保障されているとか、デモを行う権利があるといったことだ。こんな言い方をしたら、まるで中国人に元々こうした自由があるみたいじゃないか。
次ページは、【筋金入りの反日・反米の運命】【自由と独裁の比較】など
【手が大事】
中国の両会の代表は「三手代表」と言われている。つまり、顔を合わせたときの握手と、表決の時の挙手と、議案が通過したときの拍手だ。
【深夜放水の秘密】
ダムの放水が深夜に行われるわけを知っているか? もし家屋や財産がすべて流されて、住民だけ生き残ったとしたら、政府を激しく非難するだろう。だから、住民もろとも流し去るために寝込みを襲うというわけだ。これは党が中国を統治する上で培ってきた「ノウハウ」だ。(訳注:2016年、中国で予告なしにダムの放水が行われ、1000人もの人が亡くなった)
【費用対効果】
中国の一般市民が政府に弱腰なのは、逆らったときのコストが高くつくからだ。政府高官が汚職に手を染めるのは、罪を犯してもその代償が極めて小さいからだ。
【統合して赤字の会社の数を減らす】
業界内部で幹部らが国営企業の整理統合について話し合っている。「これで業績がよくなり面目が保てる。赤字の2社が1社に減るのだから」
【筋金入りの反日・反米の運命】
医者:「脳波の測定をします」
患者:「その機械はどこで製造されたものですか?」
医者:「日本からの輸入です」
患者:「嫌です。日本製品はボイコットします」
医者:「ではCTスキャンを」
患者:「それはどこのものですか?」
医者:「アメリカ製です」
患者:「だめです。アメリカ製品もごめんです」
医者:「では、MRIしかないですね…といっても、これも米国製です」
患者:「国産の機器はないんですか?」
医者:「ありますよ。(機器の使わない)精神科にかかってください」
【自由と独裁の比較】
米国の政治制度は天才によってつくられた、バカでも運用できる制度だ。世界にはもう一つの制度がある。それはバカによってつくられた、天才でも運用できない制度のことだ。
【スターリンのパイプ】
スターリンがある代表団と会見を行ったところ、会見終了後に自身のパイプが無くなったことに気が付いた。すぐに秘密警察長官のベリヤを代表団のところに派遣し、調べるように命じた。翌日、スターリンが広げてある新聞の下から自分のパイプを見つけた。そのとき、ベリヤがパイプの山を抱えてやってきた。「盗まれたパイプはどれでしょうか? 彼らのほとんどは自分が盗ったと認めています。認めなかった者は、尋問中に自ら進んで死を選びました」
(翻訳編集・島津彰浩)
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