【大紀元日本9月3日】中国で昔から「天下の奇観」と称され、河口から川の水が逆流する「海嘯(かいしょう)」が発生することで有名な浙江省海寧市の銭塘江の河口。8月31日、ここ9年で最大の潮位を観測した。大潮を迎えたこの日、台風の勢いも加って、見物客ら数十人が、巨大な大逆流に押し倒されるなどしてけがをした。
同日午後1時半ごろ、20メートルにも達した大逆流は堤防を越え、河口を覆うようにして大勢の見物客を襲った。見物客らは大波から逃げる際に転倒して骨折するなどし、数十人が負傷した。
本紙記者は負傷者の情報を知るため、河口に近い老塩倉派出所に電話をかけたが、警官は、当局宣伝部に聞いてほしいと述べるにとどまり、詳細を明らかにしなかった。
海嘯が観測された河口近くにある海寧第三病院の夏医師は、中国マイクロブログ・微博(ウェイボ)で被害情報を発信した。この病院では、10歳と13歳の男の子2人、60代の男性1人を含む35人の負傷者が運ばれたという。
銭塘江の潮は宋の時代から「天下奇観」と称され、大きな海嘯が見られる鑑賞地として有名な場所である。「八月十八潮、壮観天下無」ということわざの通り、8月の潮は最も巨大で壮観とされ、これを見学しに毎年、多数の観光客が訪れる。
しかし、毎年のように見物客が海嘯に巻き込まれるなどの事故が発生している。1993年10月3日、ことわざの日と同じ旧暦8月18日に、86人が一瞬にして海嘯に飲まれ、19人が死亡、27人が負傷し、40人が行方不明になるという大きな被害が出た。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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