東京五輪の中止や延期を否定、組織委の武藤氏 3─4月に観客数判断

2021/01/22
更新: 2021/01/22

[東京 22日 ロイター] – 東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は21日、ロイターとのインタビューで、半年後に迫った7月の大会について、中止や再延期になる可能性を否定した。どの程度の観客を入れて開催するかは3─4月に判断することになると語った。

武藤氏は「延期が具体的な検討課題になったことはない。中止もそうだが、延期もない。7月にやることは1年前に決めてずっと準備をしてきた」と強調。「どのように実行するのか、というのが我々のミッションだ」と語った。

東京五輪を巡っては、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中で、中止や再延期の観測が広がっている。開催国である日本国内の最近の世論調査では、回答者の8割が延期あるいは中止を求めている。

武藤氏は「中止と言っているのは3分の1程度。一方で延期(との回答)が増えているのは確かだが、延期しても開いて欲しいという意思表示なのだと思っている」とし、世論調査の結果を否定的に受け取るべきではないと述べた。ワクチン接種で感染が収束することを全面的に期待することはせず、感染対策を徹底することで開催を実現する考えを示した。

武藤氏は「安心安全な大会が開かれるということを示すことで世論の納得を得たい。国民、都民の共感が不可欠だ」と語った。

また、大会期間中の感染防止策として、観客の扱いを判断するのは春だと指摘。「3月、4月ごろ、国内、および国外の感染状況や、日本のスポーツイベントの観客がどうなっているのかといった状況も踏まえ、組織委員会や都、国、JOC(日本オリンピック委員会)など関係者で十分協議して最終判断する」と述べた。

3月25日に開始予定の聖火リレーは、スタッフなど参加人数を絞るほか、沿道で聴衆が密集しないよう対策を考えているとした。とりわけ有名人が走者の区間は人が集まりやすいため、競技場や公営の公園など、管理しやすいコースを割り当てることを検討していると明らかにした。武藤氏は「都道府県の実行委員会とそういう話をすでに始めている」と語った。

*写真を変更して再送します。

(聞き手:Jack Tarrant, Hideto Sakai 記事執筆:久保信博)

Reuters