米国上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル議員は、中国建国70周年に合わせて声明を発表した。中国を支配する共産党は十数億の中国の人々の悲劇の根源であり、さらに周辺国への脅威だと述べた。
「中国建国70周年に際して、中国共産党の下で何百万人もの命が失なわれたことを、改めて認識すべきだ」マコーネル氏は声明で述べた。さらに、「中国共産党は香港で民衆に暴力を振るい続けている」と付け加えた。
マコーネル氏は、毛沢東時代のような現代中国の監視システムを批判した。「新疆ウイグル人を監禁する現代のグラグから、情報の流れを制御するファイアウォールおよび検閲システム、国家レベルでの広範なハイテク監視まで、中国はすべて党の支配下にあり、人々は不安を抱えている。毛沢東時代の現代版のようだ」と書いた。
マコーネル氏は共和党幹部で、1992年に香港政策法の通過を促進したベテラン議員。同氏は、香港での4カ月に及ぶ市民の抗議活動について非常に懸念している。同氏は中国共産党政府に対して、香港問題で武力を使わないよう何度も公に警告している。
「中国共産党の行動は十数億人の中国人に悲劇をもたらした。中国の人民は、北京の指導者からもっと大切にされ、より多くの自由を享受すべきだった」
「中国の人々に起きたこの悲劇は、中国共産党が隣国にとって脅威であることを証明した。この大国が、自国民を取り扱う手段を見れば、外国人がどのように扱われるかを考えなければならない」
10月1日、北京で一糸乱れぬ兵隊の行進と新型兵器を披露するパレードが行われたが、香港では警察が初めて実弾を発射し、18歳の高校生の胸に命中した。英字主要通信社ほか世界中のマスメディアがこの事件を報じ、北京の「祝賀」ムードに暗い影を落とした。
米議会の多くの議員は、緊張がエスカレートする香港政府による暴力の使用を非難し、自由を希求する香港市民を支持している。
共和党のミット・ロムニー上院議員は同日に発表した声明で、共産党の執政70年は、残忍な抑圧と検閲の連続だとした。専制体制の中国は、「世界の自由に対する最大の脅威」と表現した。
民主党と共和党の上下両院10人以上の議員は、香港の高校生が警察に銃撃された事件について、懸念する声をあげた。一部の議員は、10月1日を国慶節として祝うべきではないと書いた。
台湾総統「共産党は文明に対する脅威」
建国70年を迎え、台湾総統府も声明を発表し、中国の独裁を非難した。中国は台湾に脅威を与え、「平和的な統一」を主張しながら、軍拡と武力行使の選択を捨てていないとした。
習近平国家主席は、北京での大規模な軍事パレードでの演説で「祖国の完全な統一のために努力し続ける」と述べた。この発言を受けて、台湾政府の大陸政策を担う大陸委員会は、台湾は「一国二制度」を決して受け入れないと述べた。
「中国共産党は70年にわたり一党独裁政権を維持してきた。民主主義、自由、人権の価値を侵害し、中国本土の正常な発展に難題をもたらしてきた」「共産党の言う『団結』、『偉大な再建』、『統一』などの言葉は、力の拡張の言い訳に過ぎず、地域の平和と世界の民主主義、文明に対して深刻な脅威だ」とした。
(翻訳編集・佐渡道世)
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