【大紀元日本5月16日】唐代の名医・孫思バク(そん・しばく)は中国の歴史上、著名な医学者であっただけでなく、百歳以上生きた長寿者でもありました。これには孫思バクの「養生之道」と関係があります。
孫思バクは代表作『千金要方』に「考慮少々、念少々、欲少々、好奇心少々、言語少々、笑い少々、悩み少々、楽しみ少々、喜び少々、怒り少々、好き少々・嫌い少々」という「十二少(十二の少々)」の養生法を書き、「これは養生において肝心なものである」と指摘しました。「十二少」は孫思バクが自ら実践した「養生之道」であることが分かります。
「少」は「多」に比べ、度を超してはいけないという意味です。「七情六欲」は人間として避けられない精神・情・志の活動ですが、孫思バクは「考慮、念、欲、悩み、楽しみ、喜び、好奇心、言語、好き嫌い、怒り、笑い」を「少」にすることが大事であると考えました。「節制し、度を越さない」ことが重要です。
「考慮」を例にすると、人は生活や自然環境・社会環境に適応するために「考慮」が必要です。しかし、考えすぎると心臓と脾臓に損傷をもたらしてしまいます。生活の中で問題が生じ、人々はそれに悩み、怒ります。しかし、大事なのは悩みを減らし、怒りを抑えることです。さもなければ、悩みで肺が、怒りで肝臓が痛みます。同様に、喜びすぎたり、楽しみすぎたりするのも精神的なエネルギーに損失を与え、早く衰えて寿命が縮まります。昔から、王様は享楽の中で悩みや苦しみの少ない生活をしてきましたが、長生きした人物は少ないのです。
多忙で享楽的な生活を送る現代人にとって、孫思バクの「養生十二少」を守ることは意義があるでしょう。
(翻訳編集・李正賢)
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