【大紀元日本1月11日】天津市河西区にある老人ホーム「鶴童解放南路養老院」は昨年10月18日、正体不明の暴漢たちに強制撤去され、133人の老人が立ち退きを強いられた。中国の政府メディア「青年報」が本件を報道した。
同報道によると、強制取り壊しを始める前に、暴漢の1人が現場で「諾亜公司」という企業から今回の強制撤去を依頼されたと説明したが、関連の書類を関係者に提示しなかった。
午後、暴漢たちはフォークリフトなどを使い、この老人ホームを取り壊した。
同老人ホームの運営団体「鶴童老年福利協会」の事務長が午後3時頃に現場に駆けつけたとき、取り壊し作業はすでに行われていた。入所している多くの老人は驚きのあまり失禁し、11人が病院へ搬送された。
自宅強制撤去の被害者で、北京市在住の劉さんは大紀元時報の電話取材に応じた。同氏は、家屋の強制取り壊しは冷血な略奪行為であり、地方政権が深く関わっており、何の法的保障もないと語り、「庶民の命は彼らにとってまったく価値がない。自分の正当権益と財産を守れば、『暴力的違法行為』と言われる。しかし、『違法行為』を行わないと、自分の棲家がなくなる」と話した。
同じ被害者である遼寧省在住の張さんは大紀元時報の取材で、いまでは家屋の強制取り壊しはよくマフィアを雇って行なうと証言した。
中国社会福利協会の副会長、鶴童老年福利協会副会長の方嘉珂氏は、「ついに、暴力的立退きがどんなものか知ってしまった。まさか我々の身に起きるとは思いもしなかった」と嘆いたという。
今回強制撤去に遭った老人ホームは1999年に開設され、平均年齢81.9歳で133人の老人が入所していた。その大半は自力生活ができない人や、身体障害者、重病を患っている人である。
(記者・李敬一/翻訳編集・坂本)
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