「チャングムの誓い」で放送された蜂の治療法

【大紀元日本11月21日】韓国の人気ドラマ「チャングムの誓い」の中に次のような一節があります。宮廷料理を担当する女官・チャングムは一時味覚が麻痺してしまい、絶望の淵にありました。すると医官は蜜蜂のハリを使ってチャングムの内関(ツボの名前)と舌を刺し、さらに蜂の毒を消す薬を合わせて治療しました。数日後、チャングムの味覚はみごとに回復しました。

蜂を利用した治療法はかなり古い時代からありました。なぜ蜂のハリで身体を刺すと治療効果を得られるのでしょうか。実は蜜蜂が人を刺す時に人体内に注入する0.03∼0.05mlの蜂毒が、鍼、灸、薬の作用を果たすのです。

1、 蜂のハリでツボを刺すと、身体の中を走る経絡が刺激され、気血の流れを改善するという鍼の効果が得られます。

2、 蜂の毒を体内に注入すると、止痛消腫という薬用効果が得られます。

3、 蜂のハリで刺した後、局部は赤く腫れ上がり、皮膚温度も高くなるというお灸の反応が現れます。これによって経絡を温め、抵抗力を増強するという効果が得られます。

現在、蜂の毒の研究では、中に20数種類の生物活性を含むポリペプチドが含まれていることがわかりました。これらの物質は副腎皮質ホルモンの分泌促進、免疫調節機能の増強といった作用があるので、免疫力の向上、新陳代謝の促進、炎症の抑制、痛みの緩和、血液粘着度の降下、血管拡張、癌細胞成長の制圧、腫瘍転移の防止などに効果があります。

臨床実験では、蜂の毒は関節リューマチ、神経根炎、糖尿病の神経障害、糖尿病の血管障害、変形性頚椎や腰椎関節症などに対して、目覚しい治療効果を得ています。

近年、ヨーロッパやアジア各国でも蜂の治療が盛んに行われています。特にこの20年間、東南アジア各国では蜂の治療法を利用して各種の難病を治療し、良い効果を得ています。1993年、米国の蜂治療法の専門家・ムラズ氏は蜂の針治療法で2例の多発性硬化症(自己免疫性の難治性疾患)を治療し、素晴らしい成果を上げました。その後、ワシントンジョージタウン大学医療センターのベランテイ博士は蜂の毒を使用して1500例の多発性硬化症を治療しました。患者に対し、蜂から採った食品を合わせて6~12ヶ月の治療を行なった結果、臨床上90%以上の患者に病状改善、或いは完全治愈の効果が得られました。

もちろん、蜂の治療法にはある程度の副作用があります。一部の患者は蜂の毒に対するアレルギー反応を生じる場合もあります。そのため、この治療法を希望する場合は必ず専門の病院で行う必要があり、自分で治療しないで下さい。特に野生のスズメバチを治療に使用してはいけません。野生のスズメバチは毒性が極めて強く、間違えば生命の危険を招くことになります。

(大紀元記者・彭蓉)