イギリスの人権活動家・ベネディクト・ロジャーズ氏は11日、香港出入境管理当局に入境を拒否された。同氏はイギリス保守党人権委員会の副主席を務めており、香港の人権状況を繰り返し批判している。入境拒否は中央政府が決めたという。香港メディア各社が12日に報じた。
同氏は香港入りする前、収監中の元学生運動リーダーの3人との面会を計画し、事前に公式ルートを通じて香港当局にその可能性を問い合わせしていた。後に駐英中国大使館は英議員を経由して「中英関係に重大な脅威をもたらす」と圧力をかけてきた。ロジャーズ氏は「(香港に高度の自治を約束した)一国二制度が死にかけている」と批判した。
1997年から5年間、香港で記者を務めたロジャーズ氏は近年、香港の人権・自由が後退していると度々批判した。2014年末に起きた大規模学生民主化運動「雨傘運動」を支持すると表明している。
ジョンソン英国外務・英連邦大臣は入境拒否について、「香港の高度の自治、権利及び自由を十分に守るべき」と述べ、香港政府及び中国政府に公式の説明を求めている。
中国外務省の華春瑩副報道局長は12日、入境拒否は中国政府の意向だと認めた。香港特別行政区のトップ、林鄭月娥・長官はこの件について、「香港基本法では、外交は中央政府の管轄」と明確な説明を避けた。
弁護士で前公民党党首の梁家傑氏は大紀元香港支社の取材に対して、「香港基本法では、出入境審査は香港当局の所轄である。中央政府に従う必要はない。一国二制度を守らない典型的な例だ」と非難し、林長官の主張に法的根拠はないと指摘した。
ロジャーズ氏はイギリスパスポートであるため、香港入境にはビザを申請する必要はない。
これまで、海外在住の中国民主・人権活動家や、中国で弾圧されている法輪功の愛好者などが香港当局に入境を拒否されるケースが多発した。雨傘運動の期間中に、英議会外交事務委員会の複数名の議員は香港での現地調査を計画したが、中国政府から入境拒否の事前通達を受けて断念した。
(記者・易如、翻訳編集・叶清)
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