【大紀元日本7月10日】 札幌市内の二十四軒に位置する中央卸売市場、ここの場外市場は北海道の味覚を求める観光客の観光ルートに入っており、日本人観光客のみならず、台湾人や韓国人など本来なら買い物客で賑わう観光スポットであるが、7日から始まったサミット警備の交通規制の影響をもろに受け、道知事の当初のもくろみとは反し、ここ二三日は客足が半減以下にダウン、経済効果だけを見たら道民の庶民経済を直撃したマイナスの影響だ。
場外でカニを20年以上専門に扱っている市場関係者は、「…ロシアの前政権であったプーチン大統領が、北方四島の海洋資源保護を政策として打ち出したので、タラバの収穫量が安定していないし品薄感が慢性化している。価格が高騰しているのもそのためだ…それにこの過剰警備で客足がさっぱり」と恨み節だ。現在、タラバの相場は等級の良い大ぶりのものでキロ当たり8000円から10000円前後、四キロ程度の大きなタラバになると3万円を軽く超えるのが市場相場だ。
関係者によると、数十年前までは北海道近海でも獲れたタラバが、卵をもったメスの乱獲でもはや「絶滅」状態、北方四島のロシア産に頼るのが現状だ。現在のタラバは、再大のもので四キロ程度であるが、当時は8キロを超えるジャンボサイズも獲れたと昔を懐かしむ。「幸い、当時に毛蟹はメスをリリースしていたので、北海道近海でも獲れるが、小さいものも市場に出回っているのでそれが心配だ」と述べる。
サミットでは、福田首相がロシアのメドベージェフ大統領に北方四島の領土問題を切り出したが、「…いやぁ無理だろう。せめて二島だけでも返還されたら、(領海が広がるので)水産資源をもっと安定的に収穫できるのだが…」と市場関係者は、カニの価格高騰の裏側に潜む領土問題への不満を口にする。
夕張メロンなど青果を扱う業者は、「…東京の中央では、夕張市の緊縮財政が伝えられているけど、メロン農家と農協は金満状態だよ…困っているのは市当局とその他の市民だけだよ。もっと持てる者から取る(徴税)体制にしないと駄目だな」と税の不公平感を訴える。
夕張メロンの市場相場は、等級の良いもので一玉4000円から5000円と相当に割高のように思えるが、入院患者の贈答やお中元などの他に、富裕層を中心に普段は良く売れるのだという。「…それでもサミット期間中は客足は半分以下だ。道知事は北海道を盛り上げるためだと言って(開催に)踏み切ったが、庶民レベルでは(経済効果が)さっぱりだ。早く終わってほしい」と怒りを隠せない。
今回のサミット警備には、地元の北海道警を始めとして本州・九州などの県警も二万人近く動員され、空港、札幌駅、札幌市内はいうまでもなく、洞爺湖付近の道路では約10メートル間隔で警官を配置する厳重な警戒網が敷かれた。サミット会場の近くに設けられた「きたのまるしぇ」では、各国首脳のファーストレディが地元北海道産のじゃがいもやアスパラなどを楽しんだそうだが、地元道民の庶民レベル「北の場外」では不満や怒りの声が相次いだ。
富裕層を中心に販売好調な夕張メロン(大紀元)
鰻登りのタラバ相場、ロシア産が主力(大紀元)
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