【バンクーバー通信】いよいよハロウィーン

【大紀元日本10月29日】遂にまたこの季節になりましたね。去年はこのサイトでハロウィーンの特集をしていましたが、記者はこのハロウィーンというのが嫌いなものですから、拗ねて参加しませんでした。

実はこちらではホーンテッド・ツアー、お化け屋敷や怪しげな名所を巡るツアーがあると聞いたので行って来ました。BC(ブリティッシュ・コロンビア)州はこの手のメッカなんだそうです。

バンクーバー・ミュージアムが主催するこのツアーは、毎年チケットが売り切れになるほどの大人気で、今年で16回目です。参加者は13歳以上が望ましいということで、前売りのチケットだと28ドルに手数料がついて37ドル。ちょっと高めの値段ですが、ミュージアムとポリス・ミュージアムの無料の券が付いてきます。

わたしが参加したのは6時40分発のツアーでした。このツアーも満員御礼でした。まず、参加者全員(32人)が集合場所に集まり、ツアーの前に説明があるとかで、ミュージアムの係りの人の指示である部屋に通されました。

この部屋でスタンレーパークの歴史が聞けるそうなんだとかで、みんながぞろぞろと入っていくと部屋には誰もいません。やや暗めの照明と座るためだと思われる細長い台が3つあったので、わたしはドアから一番遠い台の中央の辺に座りました。すると、3分の1くらいの人たちも座り始めました。わたしが座った台の反対側に、ちょっとしたスペースに柱のような、実は木をあしらった台がありました。(この公園はダウンタウンにあって、ほとんど森のような感じです。)

そこへ突然、右足にだけハイヒールを履いた、5、60年代の服装の女性がやってきて、後ろからドンと台に乗りました。わたしは「えっ」と思い、彼女がよく見たかったので、反対側の台に向き合うかたちで座りました。この女性はスタンレーパークの主だとかで、「おまえら何しに来たんだって、、、早く座れ」って言ったんです。彼女は顔に傷があって血痕があり、手にはアザがありました。

この公園には昔、インディアンたちが住んでいて、人が亡くなると死体を木の天辺に吊るし、その後、土に埋めたと言うのです、彼女はそのあたりを歩き回って、「そこにも、ここにも」と指差して、「肥料になっている」と言いました。それから、以前起きた殺人事件の話もしていました。そして、話が終わると、「とっとと出て行け!」とわたしたちを追い出しました。

わたしたちはその後、トローリーバスに乗り込みました。わたしは一番前の席に座りました。目の前の台の上に生首のような物が載っていました。バスの中は薄暗くてよく見えませんでしたが、突然、女性の叫んでいるような声がして、ホステスの魔女がこの台の中から現れました。

彼女の名前は忘れました。ごめんなさい。まだ若い感じですが、95歳と言ってました。これから、ショーノシーという地区で1918年に起きた未解決の殺人事件のあった家と、亡くなった当時21歳だったジャネットの家と彼女が眠る墓場に行くのだという説明がありました。

その家はバスから見ただけですが、ジャネットの家を買ったのは中国人夫婦だそうです。この時期になると、こんなバス・ツアーが夜な夜な来て見世物になるっていうのはどうなんでしょうね。そのあと、バスはバンクーバーで一番古いマウンテンビュー・セミタリー(墓地)に行きました。

ここではみんなバスから降りて、墓地の中を歩きました。この時は別の案内人の男性が現れ、案内してくれたのですが、昔この男性が乗っていた船が沈没して多数の乗組員が死んだそうで、その人たちのお墓と、若くして死んだジャネットの墓でした。

そのあと、わたしたちはバスでチャイナ・タウンの近くにあるポリース・ミュージアムに向かいました。移動中、ホステスの魔女が、1965年にバンクーバーで起きた殺人事件の真相を話してくれました。当時17歳の男子が斧で自分の両親と兄弟4人のうち、3人の首を切り落としたというのです。一人だけ生き残ったのですが、当時6ヶ月だったその赤ちゃんは、今はバンクーバー島に住んでいるということです。

ポリース・ミュージアムでは簡単な解剖学のお話を伺いました。後日、詳しい事をご報告できるかもしれません。

そんなこんなのツアーでしたが、大半の人たちは白けていたように思います。

オーフィアム・シアター(884 Granville Street)。1927年に建てられたこの劇場では、アクロバットの最中に死んだ役者の幽霊が何度も見られている。(写真=春馨/大紀元)

1909年に建てられたドミニオンビルディング(207 W.Hastings St.)。当時この13階建ては大英帝国で最も高いビルだったそうです。グランドオープニング のパーティーのときに階段から転げ落ちて死んだ、このビルの設計者の男性の霊が出るそうです。(写真=春馨/大紀元)

Water Street。ちょうちんを持った首のないアジア人の鉱山労働者がウォーターストリートを歩いているのを目撃されている。この男については二つの説明がある。ひとつはこの男は強盗に襲われ首を切られたと言うもの。もう一つは、夜にちょうちんを持って線路を歩いていた時に、枕木に足を取られて転び、やってきた列車に轢かれて首が切れてしまった、というもの。(写真=春馨/大紀元)

オルド・スパゲッティ・ファクトリー(53 Water St.)。古風な服装をした男性がよく、店の中に飾ってあるトロリーカーに座っている。またこの幽霊はトイレにも出没する。一番よく現れるのは店の閉店後だ、とスタッフは証言している。この男性はテーブルの食器類を並び替えるのが好きらしい。また、長く勤めていたスタッフが、自分の名前が呼ばれるのを聞いたとも。このレストランは、かつて大きな事故のあった地下鉄道の上にあった。
この男性はそのときの乗務員だったのだろうと言われている。廃線になったあと、トローリーは放置されていたが、1970年にレストランに持ってこられた。店内に飾ってあるこのトローリーの写真をよく見ると、車のステップにこの男性らしき姿がみとめられる。(写真=春馨/大紀元)

セントラルパーク(4071 Kingsway, Burnaby)池の周りでは、夜になると遊んでいる少年の姿が目撃されている。スタジアムでは、女性が意味不明の言葉で叫んでいる声が聞かれる。これは1930年代にこの公園で子供をなくした          女性ではないかといわれているそうだ。(写真=春馨/大紀元)

ドリル・ホール(620 Beatty St.)。誰もいないはずなのに、地下室で足音が聞こえたり、壁の絵や本棚の本が落ちたり、接続されていない電話が突然鳴ったりする。職員が、突然冷たいものを感じたり、誰かに触られたような体験をしている。(写真=春馨/大紀元)

実は、まだまだたくさんあるのですが、このくらいにしておきましょう。ゴーストハンターたちの話によれば、このような超自然現象は、月の満ち欠けに関係しているそうです。地球の磁力は新月と満月のときが最も強くなり、それによって超自然の活動も活発になるらしいのです。

一般には、古い家のほうがホーンテッド・ハウス(幽霊とかが出る家)が多いように思われていますが、実は個人の家でも公共の建物でも、改築や改装をしてから怪奇現象が始まることが多いのだそうです。そこに眠るものが「勝手なことをしないで。ここは私の居場所なんだから」と主張をしているからだということです。

それと糸井重里氏の「ほぼにち」サイトの怪談シリーズを読むと、見える人と見えない人(記者は見えない人)がいて、見える人たちは結構いるということです。その中にこんなストーリーがありました。

自分をひき逃げした車を探している幽霊(女性)がいて、ある男性に、その車を見なかったかと話しかけてきました。そこは普通のスーパーマーケットの中で、その男性には床が血だらけになっているのが見えました。彼女の確か、右腕の肘から下がなくなっていて、血がポタポタと落ちており、彼女の着ていたTシャツが真っ赤に染まっていたといいます。彼女は店にいた他の人たちにも聞いていたが、ほとんどの人は彼女が見えなかったんだろうと言っていましたね。彼はその後、彼女をひいた犯人が警察に捕まったというニュースを聞いたので、彼女に今度会ったときにはこのニュースを伝えたいと書いていました。

見える見えない、どっちにしてもこわいですね。

(バンクーバー記者=春馨)