【草木染めの植物】蕗(フキ)

【大紀元日本3月19日】日本各地の平地から山地までどこでも生えるキク科の多年草。栽培もされる山野草の代表種です。雌雄異株で雄株の花は黄色、雌株の花は白色です。早春に地下茎から顔を出す花芽がフキノトウで、春の味覚を楽しみます。花芽や根茎を乾燥したものが、生薬の蜂斗菜(ほうとさい)です。

花後、葉柄は30~100cmにも伸び、なかでも秋田は葉が大きく傘の代用にもなるほどです。

フキはワラビとともに発ガン性物質が含まれていることが知られていますが、アク抜き処理を完全にすれば、季節料理として風味を楽しむくらいなら心配ありません。

【薬用効果】蜂斗菜は打撲傷、喉の痛みに有効です。また、民間でフキノトウは苦味健胃薬、鎮咳薬として使用されています。陰干しにしたフキノトウの乾燥物を一日量10~20g煎服します。

【食用】アク抜きして水にさらした後、調理をします。フキノトウはあえもの、天ぷら、吸い物に、葉柄は皮をむいて煮物、油炒め、佃煮に利用します。葉も同様に利用し、伽羅蕗(きゃらぶき)や佃煮が保存食、常備食に好んで作られます。

【染色用】葉を煮出して染液とします。熱い液で煮ながら染めます。アルミ媒染で薄茶色、銅媒染で茶色に染まります。

蕗とフキノトウ(撮影=大紀元、2009年3月16日)

(文・ハナビシソウ)