【大紀元日本5月29日】考えても考えても、いいアイデアが浮かばない・・という時はないだろうか。そんな時、考えるのを止めて何か他の単純な作業を始めるといいかもしれない。単調な作業を繰り返しながらボーっとした途端、答えが見つかることもあるからだ。
米メディア「VOA」によると、この現象が脳の中で起きる仕組みが研究されているという。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学心理学者カリナ・クリストフ氏(Kalina Christoff)は、人間が眠りに落ちる瞬間や、宙を見つめてボーっとしている時などに、ふと分からなかった問題の答えが思い浮かぶという現象に注目した。
クリストフ氏は、MRIに入っている被験者に、数字を見たらコンピューターのスクリーンを押す、という単純な作業を繰り返し行わせた。こうすることによって、被験者は単純な作業をしながら物思いにふけった時と、何かの仕事に集中している時の脳の働きの違いを見ることができるという。
同氏によると、単純な作業を繰り返しながら脳がボーっとしている時、「default network(何も活動していない時に活動する脳の部分)」がとても活発になる。この部分の脳は、テレビを見たり、鍋をかき回したりなどのシンプルなことを行う時に活発になる部分で、以前からよく知られている。一方、クリストフ氏によると、被験者がボーっとしている時、他の脳の一部、いわゆる「executive network (重要なことを判断する時や難しい問題を考える箇所)も、同時に活発になることに気付いたという。
クリストフ氏によると、通常は、この2カ所の部分が同時に働くことはないという。しかし、何か単純な作業に没頭して物思いにふける時、脳は特別な働きをするようだ。
同氏は、今回の研究結果について「何かの問題について考える時、集中して考える以外にも、いろいろな脳の部分を働かせて考えることもできる」と話す。
クリストフ氏は、ボーっとしている時に働く直感力について、今後もっと研究を進めていくと話している。ひらめきが必要とされる仕事に従事する人は、要チェックだ。
同研究は、「National Academy of Sciences」に掲載されている。
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