【大紀元日本10月27日】33人が69日後に全員救出された今回のチリ落盤事故では、コミュニケーションの素晴らしさに賞賛の声が上がっている。
優れた内部コミュニケーションが今回の救出を成功に導いたと、インターナル・コミュニケーションの分野で11年の業績があるAniisu氏がインドのブログサイトIntraskopeで指摘している。
1)基盤の確立
まず、綿密な計画。政府が生存者の位置を確認し、必要に応じて支援した。これには、生存者の安全をはかること、地上の家族がひとつになること、メディアに適切な情報が流れることなどが挙げられる。
最初の数日間で、閉じ込められた鉱夫たちの生存と救出の可能性の確認をはかり、即座に鉱夫の安全をはかる責任者を解雇。これで従業員の信頼を勝ち取った。
連絡系統の確立後、食糧供給の前に消化器官を助ける食物と酸素を差し入れる。
2)専門家の受け入れ
チリは資源や技術が限られているため、NASAに衛星や専門知識の支援を求めた。NASAは救援方法だけでなく、宇宙ステーションでの体験から、どのように鉱夫の安全をはかればよいかというアドバイスも与えた。その後、チリ海軍の専門家が救援カプセルを考案。
3)コミュニケーションの枠組み
NASAの専門家は、 長期間の孤独に耐える方法についても助言した。鉱夫への情報伝達や日課など系統的な計画が設定された。全ての鉱夫に適切なニュースを伝え、期待感を持たせ、皆が同じ状況にいることが確認できるようにすることで、信頼感を意識的に築き上げた。ゲームをすることで気を紛らわし、時間配分が行えるような日々のパターンを設定した。ビデオや写真、メモのやりとり、さらにはサッカーの試合を観ることもあったという。また、家族と鉱夫のコミュニケーションの中で、誤った情報が流れないように内容は救援チームにより検討された。
4)目標(全員救出)にフォーカス
問題解決の方法を編み出し、地表に出てからの体制についての計画も立てられた。情報過多になること、実世界から隔離されていることへの懸念があったからだ。救出の際には目隠しをつけることも指示された。鉱夫の肉体的なケアだけでなく、精神的なカウンセリングも準備された。アンケートを利用して、作業長をリーダーとして確立した。救出作業の遅れなどで待ちきれなくなっているメンバーに対する早めの救出などのデマが飛んだが、このリーダーが常に現状に関する情報を流し続けた。
5)国を挙げての救出
そして最後に、首相と鉱業相が個人的に救出作業を見守り、救出された一人一人の鉱夫に挨拶した。世界に希望を与えた10月13日は、チリの祝日に定められたという。
閉じ込められた作業員たち、 家族、救出チーム、専門家、政府がスムーズなコミュニケーションをはかり、一丸となって奇跡的な成功を遂げた救出劇。多くの専門家も脱帽している。労働者の人権擁護の極めつけともいえよう。
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