中国長江デルタなど、中古住宅が「白菜並み」の安さ 専門家「バブルが弾ける最中」

2022/02/15
更新: 2022/02/15

中国長江デルタ地域と珠江デルタ地域の中小都市では、中古住宅価格が下落している。専門家は、中国住宅市場はバブルが弾けている最中にあるとの見解を示した。

財政難に陥っている中国東北部の黒龍江省鶴崗市では、面積55平方メートルの中古住宅は3万元(約55万円)余りで購入できると報道された。中国メディアは、「白菜を買うように(超安価で)、鶴崗市の中古住宅が買える」と表現した。同市は2012年、中国当局に「資源枯渇都市」と指定され、昨年12月に「財政再建」計画を発表した。事実上の財政破たんとみられる。

北京師範大学不動産研究センターの董藩・主任は14日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、鶴崗市の中古住宅価格は引き続き下落するとの見方を示した。同氏は「鶴崗市は人口流出が深刻で、多くの産業が衰退した。中国当局には東北部の経済を振興する能力はないので、これらの都市は以前のような繁栄を取り戻せなくなっている」と述べた。

RFAによると、デルタ地域の安徽省淮南市や珠江デルタ地域の広東省韶関市などの中小都市でも、中古住宅が激安価格で売り出されている。

中国の住宅ネット取引プラットフォームでは、淮南市にある面積77平方メートルの2LDKの中古物件は10万元(約182万円)で販売されている。また、同市八公山区の中心部に位置し、周囲に病院や銀行、ショッピングモールなどの施設や交通機関が完備する2LDKの中古物件も9万元(約163万円)で売り出された。

広東省韶関市と肇慶市では、面積50平方メートルの中古物件は10万元、またはそれ以下で売られているという。

金融学者の司令氏はRFAに対して、「中小都市は過去、中央政府の政策の下で、大々的に不動産開発を行っていた。今、中央政府が『住宅は投機の対象ではない』との方針を明確に示し、不動産市場への抑制を強化しているため、不動産開発業者は次々と中小都市から撤退した」と指摘した。

司氏は、中国不動産市場は今バブルが弾ける過程にあるとの認識を示した。中国当局による不動産企業への与信引き締めで、資金調達困難に陥る不動産企業は将来、大中都市の住宅物件を値下げして売り出す可能性がある。

中国の不動産調査機関、上海易居不動産研究院は昨年12月、「100都市の住宅在庫報告」を公表した。これによると、昨年11月まで、中国の100都市の分譲住宅在庫総面積は5億2100万平方メートル。2016年8月以来の高水準。特に、中小都市の在庫規模は16年7月以来の高水準で、37カ月連続で増加している。報告書は、中国当局に対して中小都市の在庫圧力を注視するよう呼びかけた。

(翻訳編集・張哲)