EU首脳会議、改革日程で合意へ
[ブリュッセル 18日 ロイター] – 欧州連合(EU)首脳会議は20日、ユーロ圏の統合深化など、2019年半ばまでの様々な改革の日程で合意する見通し。ユーロ圏の統合深化のほか、英国離脱後のEUの強化、移民、防衛、中期予算、欧州議会の構成、通商、EUの高官ポスト、経済・通貨同盟の深化といった課題についても、協議日程を決定する。
フランスのマクロン大統領は先月、英離脱を見据えた野心的な欧州連合(EU)改革案を提唱。複数の当局者は、今回の改革日程は同大統領の構想に触発されたものだと語った。
ただ、同大統領の改革案は、ユーロ圏19カ国の統合深化に重点が置かれており、他のEU加盟8カ国が孤立する恐れもある。
ある当局者は「(EU内の)亀裂を深めずに、マクロン大統領の構想とエネルギーを活かし、27カ国全体の統合を進めることが課題だ」と述べた。
改革日程によると、12月中旬のユーロ圏首脳会議で、ユーロ圏の改革を巡る協議を開始するとともに、ユーロ圏の銀行同盟に関する作業を終える。
具体的な改革案として挙げられているのは、ユーロ圏の共通予算創設。ユーロ圏の財務相が予算を運営し、ユーロ圏議会に対して責任を負う。
欧州安定メカニズム(ESM)を欧州通貨基金に改編する案や、ユーロ圏共通の失業保険制度、国家破綻処理制度の創設案も浮上している。
こうした改革について、来年6月28─29日の首脳会議で具体的な決定を下す予定だ。
ユーロ圏の銀行同盟に関する作業を終えるには、ユーロ圏の銀行の破綻処理費用を負担する「単一破綻処理基金(SRF)」の資金が枯渇した場合に、ESMが支援する体制を整える必要がある。これは12月にも合意可能という。
ただ、汎欧州の預金保険機構については、ドイツが強く反対しており、協議の難航が予想されている。
他のユーロ圏改革案が浮上すれば、英国がEUを離脱する1週間前に開く2019年3月21─22日の首脳会議で、決定を下す予定だ。