米国務長官、米印関係の「劇的深化」に意欲 中国対抗勢力と期待

[ワシントン 18日 ロイター] – ティラーソン米国務長官は18日、来週のインド訪問を前に米戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、トランプ政権がアジアにおける中国の影響力増大に対抗するための重要なパートナーとして、インドとの関係を「劇的に深める」ことを望んでいると述べた。

ティラーソン氏は「米国は中国との前向きなつながりを求めている。しかし、ルールに基づく秩序に中国が挑戦していることや、中国が近隣諸国の主権を脅かして米国とその同盟国に不利益をもたらしている事態について、米国が後ずさりするつもりはない」と発言した。

その上で「インドと米国は、他国が主権を守るための備えを提供し、絆を強め、地域の利益や経済発展に資するような枠組み構築に向けて、より積極的に意見を発信していくべきだ」と付け加えた。

またティラーソン氏は、アジアで中国に代わってインフラの資金を供給する仕組みを米国が検討し始めたことも明らかにした。同氏は、中国の金融は融資先の国を「借金まみれ」にしながら雇用を創出できていないと指摘し、代替的な金融手段の開発を始めるのが重要だとの考えを示した。

同氏は来週、パキスタンも訪れる予定。米国務省のある高官は、インドとの関係強化方針は、パキスタンに動揺を与えるのはほぼ間違いないと話す。

パキスタンは過去何十年間も、米国にとって東南アジアで最も重要な同盟国だった。しかし最近は、パキスタンがアフガニスタンの反政府勢力タリバンへの支援をやめないと米政府内で不満が高まっている。

ティラーソン氏は「パキスタンは、アフガンを根拠にして自国や周辺地域の脅威になっているテログループに対して断固たる措置を取るだろう」とけん制した。トランプ大統領は、パキスタンが米国に協力しない場合、援助をさらに減らす意向を示唆している。

関連記事
最近、バルト海にある二本の重要な海底ケーブルが損壊し、ドイツ、スウェーデン、フィンランド、リトアニアの四か国が […]
米国議会は中国の最恵国待遇の取り消しを提案。AI技術競争において優位を目指す「AIマンハッタン計画」も始動。中国経済への影響が注目される
トランプ次期大統領は緊急事態宣言を準備し、不法移民の強制送還計画を発表した。計画では特に中国籍の兵役年齢の男性を優先している
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
豪州初の女性宇宙飛行士ベネル=ペッグ氏は、シドニーの会議で「宇宙には地球上の砂浜の砂粒に例えるほどの恒星があり、生命の存在は確実だ」と語り、太陽系内外での地球外生命探査の可能性に期待を寄せた。「宇宙での発見は生命の理解を深める貴重な手がかりになる」と強調。