[ベルリン 18日 ロイター] – ドイツで18日、メルケル首相が率いる保守系与党会派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が自由民主党(FDP)、緑の党との連立に向けた予備的な協議を開始した。
ただ、移民問題や欧州連合(EU)、環境政策などを巡り各党の政策が大きく異なることから、合意には数カ月かかる可能性があるとされる。
協議は19日、20日と続く。一連の協議は、各党が信頼関係を築き、今後の交渉の枠組みで合意することが目的とされ、移民問題などの対立点の多い政策を巡る交渉は後回しになる見通し。
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の勢力拡大を懸念するメルケル首相は、少数与党や再選挙となるシナリオを避けるべく、CDU・CSU、FDP、緑の党の3党による連立合意を目指している。
3党のシンボルカラーはジャマイカの国旗と同じため、3党の連立は「ジャマイカ連立」と呼ばれている。
初日の協議を終えた各党は、ドイツ国政レベルで初となる「ジャマイカ連立」の実現には時間がかかるとの見解で一致した。
CDUとCSUはまず、企業寄りのFDPと協議した後、緑の党と協議した。
CSUのショイアー幹事長は緑の党との協議後、「地図帳を見ると、ジャマイカへの道のりは長い」と語った。
一方、CDUのタウバー幹事長はFDPと緑の党との協議について、どちらも良かったと述べた。
メルケル首相は17日、自身が率いるCDUの関係者に対し、妥協が必要になるとの考えを示した。首相は当初、クリスマスまでには新政権が発足するとの見方を示していたが、連立合意が年明けに持ち越される可能性が高いとする意見も出ている。
FDP幹部のニコラ・ベア氏は「このような形で連立を模索するために、われわれの一部が創造力を発揮する必要があるかもしれないという点で一致した」と述べた。
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