子どもが道徳的に誤ったことをした時、親はどうしたらいいでしょうか?感情的に怒鳴りつけてしまいがちですが、それは効果が薄いかもしれません。冷静に目を見て話し、何が誤りであったのかを理解させることが重要です。
アメリカの幼児教育専門家サイトに、あるいたずらをしてしまった男の子とその母親の実話が掲載されています。
マクドナルドの入り口で、母親が男の子に言いました。「ママが黙ってあなたのヨーグルトを飲んだから、悔しかったの?」男の子は涙目でうなずきました。今度は、母親は少し厳しい口調で言いました。「あなたがトイレからトイレットペーパーを丸ごと持ち出したら、掃除のおばさんはその責任を負わなければならないのよ。あなたはそのおばさんが辛くなると思わない?」男の子は顔を赤くして、首を縦に振りました。
すると、母親は後ろの手に持っていたヨーグルトを男の子の前に差し出しました。「ヨーグルトのことはママが悪かったわ。黙ってあなたのヨーグルトを飲んでしまったから、返すわね。でも、掃除のおばさんにはどうすればいいかしら?」男の子は困った顔をして「分らないよ」と答えました。母親は「あなたなら、きっといい方法を見つけられるわ。よく考えてごらん」と男の子を励ましました。しばらくすると、男の子はピンと来た様子で、明るく母親に言いました。「僕の大好きなキャンディーをあげてもいい?」早速、子どもはキャンディーを買うと、自分で掃除のおばさんにそれを渡しに行くことにしました。
男の子がマクドナルドの店に入ると、店のマネージャ―が立っていました。男の子は、自分が面白がってトイレットペーパを持ちだしたことや、掃除のおばさんに謝りたいこと、そしておばさんに自分が大好きなキャンディーをあげたいということを話しました。店のマネージャーは、外で待っている母親に気づき、男の子からキャンディーとお詫びの言葉を受取ると、ほほ笑んで「ありがとう」と返事しました。男の子は満面の笑みを浮かべ、嬉しそうに母親のところへ走って行きました。
この母親は、子どもがいたずらしたことを、いきなり叱ったりしませんでした。そして自分が人の物を盗んだことで、他人を傷つけてしまうことを子どもに分からせたのです。そして、過ちを犯してしまった時は、それを素直に認め、謝ることの大切さも教えました。
子どもの代わりに謝ったりせず、自分で問題を解決するよう励ました母親の話です。ほんのささいなエピソードですが、この男の子にとって、今回の経験はきっと一生役に立つものになるでしょう。
(翻訳編集・蘭因)
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