米国務長官が石油業界に協力呼び掛け、外交政策の目標追求で

[ヒューストン 12日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は12日、石油業界に対し、アジアや欧州をはじめとする地域で外交政策の目標を追求し、世界の「悪者」となっている諸国に制裁を加えるために協力を呼び掛けた。

IHSマークイットが主催するエネルギー業界の会合に向けて準備した講演原稿でポンペオ氏は、国内に潤沢にあることが判明したシェールオイルや天然ガスが「外交政策上の米国の立場を強める」ことになると述べた。米国は世界の主要な産油国であるベネズエラとイランに対する厳格な制裁をここ数カ月で発動している。

ポンペオ氏は、ベネズエラの問題に対応するために米政府は経済的な手段を総動員すると表明。また、「市場の状況が許せば、可及的速やかにイランの原油輸出をゼロまで押し下げる決意だ」と述べた。

「投資を促進し、パートナー国に米国からの購入を奨励し、悪者を罰することでわれわれは競う必要がある」と強調。米国のシェールブームによって、かつては地政学上の敵対国からの調達で満たしていたエネルギー需要を自国で満たすことが可能になったと指摘した。

「われわれは欧州の同盟国が(ロシアと中欧を結ぶガスパイプライン)ノルドストリーム2を通じてロシア産の天然ガスに依存することは求めておらず、同様に、米国がベネズエラからの原油供給に依存することも望んでいない」と説明。

中国については、「威圧的な手段によって南シナ海でのエネルギー開発を阻止している」と批判。東南アジアの諸国は2兆5000億ドル強に相当する可採埋蔵量にアクセスできなくなっているとした。

ポンペオ氏はまた、ロシアのウクライナ侵攻はウクライナの石油・ガス資源を手に入れるための試みだとの見方を示した。

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