米企業、対中関係で「ポジティブな支え役」になれず=商工会議所

[北京 17日 ロイター] – 在中米商工会議所は17日、米中通商関係において、米企業を「ポジティブな支え役」として頼ることはもはや不可能だとの見解を示した。中国で事業を展開する米ビジネスコミュニティーは長い間、地政学的摩擦が多い米中関係に安定をもたらす存在と見られてきたが、ここ数年間では中国の通商政策に対し強硬な姿勢を強めている。

在中米商工会議所は、中国の事業環境に関する年次報告書と共に発表した声明で、「重要なのはムードが変化したことだ」と指摘した。

「中国の米ビジネスコミュニティーは良好な二国間関係を長く支持してきたが、同コミュニティーをポジティブな支え役として頼ることはもはやできない」とした。

米企業が中国で直面する事業環境は引き続き不透明感が高く、企業は投資を巡り楽観的な見方を後退させている、との認識を示した。

商工会議所はまた、貿易摩擦を解消するには中国経済の構造問題に対処する必要があると指摘。ティモシー・ストラトフォード会長は報告書で「現在の対立の真の解決策は構造問題への取り組みを必要とする、とわれわれは理解している」とし、こうした問題が長期にわたって中国で米国の製品、サービス、事業展開を妨げてきたとの見解を示した。

ストラトフォード会長は報告書に関する記者説明会で、米中通商問題の交渉官らは正しい合意を得るべきであり、任意の期限に合わせるために協議を急ぐべきではないと要求。最終的な合意が崩壊すれば、両国関係は「下方スパイラル」に陥るリスクがあると述べた。

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