米メリーランド州ボルモチア(Baltimore)市にある小学校は、いたずらや悪いことをした子どもに対して、居残り指導を瞑想させることに変えたら、子どもたちの行いが良くなり、出席率も上がりました。
米国のこれまでの研究によると、学齢児童への体罰、放課後の居残り指導などで、子どもたちの長期にわたる問題行為を改善するのは難しいと指摘しています。これを鑑み、ロバートW.コルマン小学校(Robert W. Coleman School)では地元の民間非営利団体(NPO)「ホリスティック・ライフ基金会」の専門家と協力し、学校内で「ホリスティック・ミー(全体的な自分を考える)」のやり方に変えました。それが、「瞑想する」という放課後の指導プログラムです。
学校側は「瞑想する教室」を設け、生徒たちにここで目を閉じて、呼吸を整え、自分の気持ちをコントロールすることや、専門行為療法士と話をするなどを勧めています。いたずらや悪いことをした子どもたちを、校長室や生徒指導室に呼んだりせず、「瞑想する教室」で瞑想させるのです。
同小学校は2年前から瞑想プログラムを実施したところ、問題行為を引き起こす生徒がどんどん減り、以前行っていた停学処分も皆無になりました。
学校の協調人カーク・フィリップス(Kirk Philips)さんは「小さい子どもたちが静かに座って瞑想することはとてもできないと思うかもしれません。しかし、彼らはできるのです」と話し、プログラムの成果に驚きを示しました。
現在、瞑想プログラムは一般生徒にも開放しています。生徒たちにこのプログラムで学んだことを家族にもシェアし、日常生活の中でも応用するよう勧めています。
11歳の生徒は、「僕は今朝パパに怒ったが、でもすぐに呼吸を整えることを思い出し、気持ちをコントロールできたので、大声で叫んだりしなかった」と話しました。
この成果を見て、近所の中学校も瞑想プログラムを実行しました。すると、出席率が上がり、懲戒処分を行う比率も下がりました。
姿勢を正して座った状態で呼吸を整え、精神統一を行う瞑想についてのメリットはこれまでに幾つかの研究発表がありました。感情を制御することができる他、定期的に行うことによって、ストレス解消、大脳の働きを向上させ、痛みを緩和させるなどにも効果があると報告されています。
(翻訳編集・豊山)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。