車のトランクに閉じ込められたときの対処法 あなたの命を救う簡単な方法

閉所恐怖症の人にとって、トランクに閉じ込められることはこの上ない悪夢だろう。無数の映画で取り上げられているこのシナリオは、ハリウッドの世界の話ではない。現実に起こりうるのである。この状況から脱出する方法をあなたは知っているだろうか?

今日は、誘拐されてトランクに閉じ込められた後に無事脱出した人の例を見ながら、簡単な脱出方法を紹介していこう。

アラバマ州エイボンデールの看護学生、ブリタニー・ディグスの事例では、トランクからの脱出方法を知っているかどうかが生死を分けた。彼女は2017年に自宅アパート近くで誘拐された。犯人のマヌエル・タウンズは、強盗と薬物所持の罪で有罪判決を受けたことのある常習犯だった。

タウンズはディグスに車を運転させ、彼女のデビットカードでお金を下ろせるATMを探すように指示した。彼女は「自分は貧乏学生で何も持っていない」と繰り返し彼に訴えたという。お金が手に入らないことに腹を立てたタウンズは、ディグスをトランクに閉じ込め、レイプして殺すぞと脅し続けた。「彼がこの車を川に落として、ここで溺れてしまうのが1番怖かったです」と彼女は語った。

Illustration – Shutterstock / Jne Valokuvaus

この後、ディグスはすばらしい脱出劇を見せた。彼女の口座からお金を下ろそうとタウンズがさらに別のガソリンスタンドに立ち寄ったとき、彼女は以前トランク脱出用ラッチのビデオを見たことを思い出した。2001年以降、すべての車にこのラッチを取り付けることが連邦法によって定められた。車のトランクに閉じ込められた子どもなどが無事にトランクを出られるようにすることが目的だった。

彼女はたまたま持っていたインスリンポンプの明かりを使ってラッチを探した。そしてタウンズが車を走らせたとき、彼女はラッチを外して動いている車から飛び降り、地面に体を打ち付けたがそのままコンビニエンスストアの中へまっすぐ走っていった。

「助けてください、男性に襲われているんです」と叫びながら店内に入ってくる彼女の様子を監視カメラの映像が記録している。店員は警察が到着するまで彼女を店の奥にかくまった。タウンズは執行猶予なしの終身刑を宣告された。ディグスがトランクから脱出する方法を知らなければ、彼女は生き残れなかったかもしれない。またそれからもタウンズが他の罪のない人々を脅かしていた可能性もある。

 

それでは、トランクからの脱出方法を見てみよう。

ステップ1 ラッチを探す

まずは落ち着いて呼吸を整えよう。小さいトランクだからといって、中で窒息することはない。難しいかもしれないが、焦らずに呼吸を続けてほしい。

ラッチの設置は連邦法によって義務づけられているが、その位置は車によって異なる。多くのメーカーは暗闇で光るラッチを取り付けているが、そうではないものもある。この場合は、携帯電話などの光を利用してラッチを探すのが良いだろう。光源がないときは、トランク内側の上端を手探りしてみよう。ラッチは中央付近にあるはずだ。

ステップ2 ラッチを外す

ラッチを外すタイミングを正確に知ることは難しく、最善のタイミングは場合によって異なる。高速道路を走行中にラッチを外すのは危険だが、(誘拐されたと仮定すると)どこに連れて行かれるかわからない。助けを呼べない場所に監禁される可能性もあるので、走行中でも停止中でも、できるだけ早く逃げることが望ましい。

ステップ3 助けを求める

近くのドライバーやコンビニの店員など、だれかに助けを求めることが必須だ。また、すぐに行動することが重要である。ディグスはおびえていたにも関わらず、誘拐犯から彼女をかくまってくれる人を見つけることができた。

それにしても、誘拐犯に手を縛られなかったという意味ではディグスは幸運だった。もしも拘束されていたとしたら、彼女に何ができただろうか? 

しかし結束バンドで縛られている場合でも、まだ脱出する可能性はある。

結束バンドで縛られた状態で脱出する方法

テクニック1 結束バンドを使用してラッチを外す

ラッチの上で手をスライドさせ、下または片側に引いてラッチを外す。

テクニック2 結束バンドを外す

拳を作り、手のひらを下にして両手の親指を合わせる。タイミングを見計らって、手のひらが向き合うように両手を90度回転させる。手を小刻みに動かすと結束バンドが外れる

テクニック3 結束バンドを壊す

歯を使って結束バンドを引っ張り、できるだけきつく締め上げる。次に両腕を頭の上にあげ、勢いよく両ひじを後方に突き出しながら両手首を体に押し付ける。急な衝撃に弱い結束バンドの特徴を生かした方法だ。

もし結束バンドを解けなかったとしても、トランクのラッチについて知っていれば脱出するチャンスはある。

(大紀元日本ウェブ編集部)