英メール・オン・サンデー紙は21日、パンデミックにより財政難に陥った同国の私学数百校が今、中国投資家の標的にされていると報じた。報道によると、少なくとも17校がすでに中国企業に買収されており、今後さらに増加する見込みだ。うち9校を買収した中国企業の創業者あるいはオーナーがいずれも「中国共産党の上層幹部」だという。
なかには、英国の学校買収は、世界で影響力の拡大を図る中国共産党の「一帯一路」戦略の一環であると公に宣言している中国企業もある。
故ダイアナ元妃が通った予備校までもが中国企業に買収されたという。
報道は、複数の英国学校を買収した中国企業「ブライト・スカラー・エデュケーション・ホールディングス(博實樂教育集團、以下はブライト・スカラー)に焦点を当てた。
資料によると、同企業の所有者は、2007年に20代の若さでアジア一の大富豪になった楊惠妍(ヤン・ホイジュエン)氏で、200億ポンド(約2兆9600億円)の資産を保有している。
楊氏の父親・楊国強氏は碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)の創業者で、中共政治協商会議全国委員会の委員に任命されていた。ブライト・スカラーはカントリー・ガーデンの傘下企業でもある。
2018年以来、ブライト・スカラーはボーンマス・カレジエイトスクール(Bournemouth Collegiate School)、カーマーゼンシャーにあるSt Michael’s School校、ノーサンプトンにあるボスワース・インディペンデント・カレッジ(Bosworth Independent College)などの学校を次々と買収した。
また2019年7月9日、1.5億ポンド(約222億円)でケンブリッジ・アーツ&サイエンス(Cambridge Arts & Sciences College)を全額買収した。
ケンブリッジ・アーツ&サイエンスは、1952年に設立された大学予備コースと英語教育を提供する英国の専門教育グループである。同校は現在、英国、米国、カナダ、中国で7つのキャンパスを持ち、また英国、米国、カナダで国際語学学校10校を運営している。
同校の卒業生の多くは英国のトップ大学に進学している。
2018年8月31日の会計年度末時点のケンブリッジ・アーツ&サイエンスの財務状態は良好で、純利益は約8900万ポンド(約130億ドル)だった。
中国の不動産大手「万達集団(Wanda Group)」も英国の学校買収に加わった。同集団の王健林会長は中国軍とつながりを持っているとされている。王氏自身もかつて、第17回全国人民代表大会の代表と中国共産党中央政治局常務委員会のメンバーを務めた。
報道は、中国企業に買収された学校は、中国共産党が海外にイデオロギーを輸出する計画の一部になると指摘。「洗脳を受けている子どもの教育に政府が関心を向けるべきだ」と述べた。
「実際のところ、私たちの政府はお金のためにあまりにも長い間、親中になり過ぎた」報道は、数千万もの英国の子どもの教育の完全性が脅かされていると警鐘を鳴らし、英国の教育機関はこの問題を真剣に受け止め、緊急に対処しなければならないと呼びかけた。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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