氷のような冷たい心の批評家ですか?

結婚して3年が過ぎ、彼女は自分の判断力を疑い始めた。優秀な男性がたくさんいたのに、どうして欠点だらけの彼を選んだのか?

 記憶力が悪く、頼まれたことをいつも忘れてしまう。不精で、言われなかったら着替えもしないし、ドキドキさせるような甘い言葉を一度も口にしたことがない…。

 彼女は彼にくどくどと不満を言い、時には厳しい批判を浴びせたこともあったが、彼は依然としてマイペースで、何も変わらなかった。一方、夫婦関係はますます緊張の度合いを増していった。

 交際中の幸せな時期と比べて、今の冷え切った関係を思うとやり切れない。彼女は落胆し、親友に愚痴をこぼした。話しだすと、彼のすべての欠点が耐えられない。彼女は怒りを抑えきれなかった。

 根気よく彼女の「批評」を聞いた後、友人は彼女に言った。「あなたは夫婦愛の批評家なの?彼の欠点ばかりが目につくようだけど、いいところは見えないの?」

 彼女は勝ち誇ったように、「欠点があるから、彼がそれを改めるように促すのよ。いいところは言う必要がないじゃないの」と言い返した。

 友達は笑いながら言った。「違うわよ。彼のいいところを、常に感謝して伝えるべきでしょう。あなたたちは平凡な生活を送る夫婦であって、氷のような冷たい心を持つ批評家ではないでしょう」

 氷のような冷たい心の批評家・・・確かにそうだった。彼女は、家ではいつもこのような態度をとっていた。まるで子どもを叱責するように、自分が選んだ夫を厳しく叱ってきた。交際していたときの優しさはだんだん消えて、生活の中の些細なことが、彼女の思いやりや包容力を失わせてしまったのだ。

 しばらくすると、彼女は段々と変わってきた。以前のような厳しい目つきや、批評家のような冷たさがなくなった。少なくとも不平不満だらけの日常がなくなった。

 彼の記憶力の悪さは相変わらずだが、彼女に関することはすべて覚えている。仕事帰り、彼はよく駅前の本屋に立ち寄り、彼女が好きな雑誌の最新号を買ってくる。

 彼は不精だったが、週末にはいつも家をきちんと掃除する。それは彼女がきれい好きだからだ。

 彼は甘い言葉を言ったりはしないが、彼女の好きな料理を研究し、料理を作りながら、彼女に味を見てもらう。

 彼女は「批評家」をやめた後、見落としていた彼のいい所をたくさん探し出した。毎日、優しい気持ちで過ごすうちに、2人は仲睦まじい夫婦になっていった。

 

(翻訳編集・李頁)