巨大映像化で蘇る日本伝統美術 新感覚デジタルアート展が都内で開催

巨大映像で日本美術の傑作を楽しむ新感覚デジタルアート展「『巨大映像で迫る五大絵師』-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界-」がいま、東京・大手町三井ホールで開催されている。

江戸時代の絵師たちの情熱と想像力が込められた歴史的作品が、精細なデジタルアートとして再現されている。葛飾北斎の「冨嶽三十六景」や歌川広重の「東海道五拾三次」、俵屋宗達尾形光琳が描いた2つの「風神雷神図屛風」、伊藤若冲の「仙人掌群鶏図」など、国宝及び重要文化財を含む42作品が巨大映像となって、一堂に会する。開催は9月9日まで。

デジタルアートとして展示されている「神奈川沖浪裏」(清雲/大紀元) 

会場は「解説シアター」「3面シアター」「Digital北斎×広重コーナー」という3つのエリアで構成されている。上映作品が毎日入れ替わるダブルプログラムも取り入れられている。

縦7m、横45mの三面ワイドスクリーンによる圧巻の巨大映像と音響効果と相まって、絵画に引き込まれるような気分が味わえる。

大迫力の「風神雷神図屏風」(清雲/大紀元)

 

「Digital北斎×広重コーナー」の様子(清雲/大紀元)

プロデューサーの小西裕介さんはデジタルアート展の見どころについて、「貴重な作品は保存の観点からなかなか身近で見られない。巨大映像化にすることによって、通常の美術館での鑑賞と全く違う鑑賞のスタイルで、新たな魅力が発見できる」と述べている。

また、制作過程では「高画像のデータを収集することが一番大変だった」という。「所蔵先のご協力によって撮影をさせていただきました。細かい部分まで撮影し、実物の色をどれだけ再現できるのかに苦労しました。撮影ができないところは、デジタルアーカイブからデータを預かって、状態のよくないデータなどは色修正や再スキャンニングなどをした」と小西さんは語った。

さらに、今回のデジタルアート展はデジタルと映像演出によって日本美術の魅力を発見するプロジェクトの第一弾であり、第二弾や第三弾も企画中だという。

「『巨大映像で迫る五大絵師』-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界-」は東京で開催された後、大阪でも12月3日から2022年1月30日にかけて堂島リバーフォーラムで開催される予定だ。(9/16追記:新型コロナウィルス感染拡大の影響で、大阪巡回展は開催中止となった)

(大紀元日本語編集部)