東漢末期の三国時代に、世界で初めて麻酔薬を発明し、外科手術で全身麻酔を使用した元祖とも言われる有名な民間の医師、華佗(かだ)がいました。
華佗は世界で初めて麻酔薬を発明し、外科手術における全身麻酔の創始者として知られています。 彼の医学における技術は卓越しており、特に外科手術には定評がありました。今そんな華佗の話をお届けします。
開腹して虫垂を取り除く
ある日の早朝、太陽が輝いていました。 2人の男が患者を連れて、華佗の診療所にやってきました。 その患者は腹部に激しい痛みを訴え、顔面蒼白で、足が変な方向に曲がっており、とても落ち込んでいました。華佗は患者の脈を取った後、患者の服を脱がせ、手で腹を押しました。彼は患者を診察したあと、患者の家族に「腸管膿瘍(虫垂炎)だから、すぐに手術をしなければならない!」と言いました。そして、患者は手術台に運ばれ、 華佗は患者に「麻沸散」を酒と一緒に飲ませました。しばらくすると患者は意識を失いました。そして、弟子に患者の腹部に薬を塗って消毒するように頼みました。華佗は消毒したナイフで患者の腹部を切り開き、腹腔内に手を入れて虫垂を切断し、楮紙の糸で切開部を縫合し、特殊な消炎軟膏を塗りました。手術後、華佗は患者の家族に「切開した部分は7、8日で治り、1カ月後には仕事ができるようになります」と言ったといいます。
腐敗した脾臓の除去
また別の時、華佗にある患者が診察を依頼しました。 患者はため息をついて悲しそうな顔をしながら、「10日前に腹部に刺すような痛みをおぼえ、ここ数日は眉毛や髪の毛が抜け落ちそうになっています。先生、私はどこが悪いのでしょうか? 」と言いました。
診断の結果、華佗は「脾臓が半分腐っているので、手術で取り除かなければならない」と言いました。 華佗はすぐに手術を行い、腐ってしまった脾臓の半分を切り取り、傷口を縫って薬を塗布しました。華佗が行った2つの手術は、簡単そうに見えて実はすごいものでした。第一に、全身麻酔を施したことです。
麻酔はイギリス人が1800年頃に、亜酸化窒素が手術の麻酔薬として使用できると発見したと言われていますが、この華佗の全身麻酔の発明と使用は、それよりも1000年以上も前のことです。 これらの技術や知識はどこで学んだのでしょうか。
第二に、複雑な最新機器や大勢の助手を必要とせず、難しい手術を一人で簡単に行うことができたことです。
また華佗には弟子が一人しかついてこないことも多かったといいます。
彼はかつて曹操の頭痛を治療し、また腫瘍を取り除くために、開頭手術を提案しました。 しかし曹操に拒絶されました。
その後曹操に拘束され牢に入れられたこともありましたが、現代医学の及ばない奇跡的な技術を習得していたことを証明しています。
このような複雑で困難な作業がどのようにして行われたのかは、人体の神秘とその仕組みを深く理解していなければ知る由もありません。 実は、華佗は人体を透視する伝説的な力を持つ僧侶であり、5千年前の黄帝以来の道教治療術の真の弟子でありました。 彼の医療技術は常人のレベルを超えていました。
(翻訳 井田)
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