米国がアフガン戦争の20年間に費やした金額は?

米ブラウン大学による戦費計算プロジェクト「コスト・オブ・ウォー」(Costs of War)は、2001年から2021年4月まで、米国の納税者はアフガニスタン戦争のために約2兆2601億ドルを費やしたとの試算を発表した。

「終わりなき戦争」に終止符を打つことを掲げてきたバイデン政権は、アフガニスタンに駐留する米軍2500人の撤退を5月1日に開始した。テロの脅威が各地に広がるなか、一国に毎年数十億ドルをかけて米軍を駐留させる理由はないとの判断だ。

「コスト・オブ・ウォー」の推定によると、米国はアフガン戦争の20年間で、国防総省が海外での緊急行動に使用した9330億ドル、戦争基本予算で追加された4430億ドル、アフガニスタンの退役軍人のための2960億ドル、さらに590億ドルの補正予算を含む巨額を投じてきた。また、過去20年間の戦争債務の利子は5300億ドルだった。

また、アフガニスタン復興担当特別監察官のデータによると、米国政府はこの復興事業に1430億ドル以上を支払った。このうち880億ドルがアフガニスタン治安部隊の訓練と配備に使われた。

このアフガン戦争により戦死した人は24万3000人に及ぶ。この数字に、病死や食料や水の不足による死などの間接的な死は含まれていない。

アフガニスタン撤退で、バイデン氏はドナルド・トランプ前大統領と異例の合意を交わした。トランプ氏は当初、2021年5月をアフガンからの米軍撤退の最終期限に設定していたが、バイデン氏はこのデッドラインを8月31日まで延長し、5月から撤退を始めた。

米国の撤退期間中にタリバンが急速に前進したことをどう思うかとの質問に、バイデン氏は自分が下した完全撤退の決定を後悔していないと述べた。「アフガニスタンの指導者たちは団結しなければならない」「彼らは自分たちのために、そして彼らの国のために戦わなければならない」とバイデン氏は記者団に語った。

この歴史的な米大統領の判断は、世界の米国同盟国や友好国の政治・政策リーダーたちにとって、強大な軍事力を持つ米国への依存を軽減し、「自主防衛」を重んじる姿勢に移行していく動機付けになった。

(翻訳・源正悟)