脳の老化を早める7つの悪習慣を見直そう

現代人にとって、老化を加速させてしまういくつかの悪い習慣があります。例えば、炭酸飲料を飲みながらスマホを見ていると、自分でも気づかないうちに脳の老化が進んでしまいます。 

予防医学の専門家であるロブサン氏によると、食事睡眠、感情、運動が脳の「年齢」に影響を与えるといいます。 

脳の老化を早める7つの悪習慣 
 

1.毎日、糖分の多い炭酸飲料を飲む 

砂糖は一時的な満足感を与えてくれますが、慢性的な炎症を引き起こし、摂りすぎると脳を含め、体の老化を早める原因になります。 

『American Journal of Public Health』という雑誌に、このような記事が掲載されています。糖尿病や心血管疾患のない、20歳~65歳の5千人を対象に調査したところ、1日に20オンス(568ml)の甘い炭酸飲料を飲むと、脳細胞の寿命を著しく短くするようです。この研究によると、糖分の多い炭酸飲料を定期的に摂取することで、細胞の老化が進み、代謝性疾患や、身体の老化などの悪影響を及ぼす可能性があるとのことです。 

2.緑黄色野菜の摂取量が少ない 

林新病院の神経科医である林志豪博士によると、野菜と良質のタンパク質は、脳の若さを保つことに役立つそうです。逆に、野菜の少ない食事は、脳の健康に悪影響を与えます。 

米国神経学会の機関誌『Neurology』に掲載された研究では、平均年齢が81歳の高齢者960人を対象にした調査で、1日1.3皿の緑黄色野菜を4.7年間食べ続けた人は、1日1皿以下食べる人に比べて、脳が著しく若返っていたといいます。 

緑だけではなく、濃い緑、紫、赤、オレンジ色などの野菜や果物、抗炎症作用のある全粒穀物、ヘーゼルナッツ、アーモンド、クルミ、カボチャの種、カシューナッツなどの良質な脂肪を含むナッツ類を摂取することも大切です。タンパク質は、脳を構成する重要な要素なので、豆腐、豆乳、魚、魚介類、卵などもたくさん食べましょう。 

3. 早食いする
 

早食いは、長い目で見ると健康にはよくありません。 

ロブサン氏は、早食いは腸や、自律神経に悪い影響を与え、吸収が悪くなり、脳の変性につながると説明しています。「大腸と小腸は第2の脳」といわれています。 

正しい方法は、食事の際に噛む回数を増やすようにし、できれば20~30回噛むことです。これは、口の中で噛むことにより、脳の働きや大脳皮質の血行が促進され、記憶力の向上や、脳の変性疾患と認知機能障害の予防につながるからです。また、噛む回数を増やすことで、自律神経のバランスを効果的に整え、口の中のアミラーゼの分泌を促し、消化を助けます。 

4.テクノロジーへの過度の依存 

私たちはよく、道を覚える代わりにナビゲーションアプリを使ったり、わからないことがあれば、すぐにインターネットで調べたりしています。しかし、頭を使って物事を覚えないと、脳の機能が低下してしまいます。脳を活性化させるためには、積極的に考えたり、物を覚える練習をすることが大切です。 

5.夜更かし 

通常の睡眠時間は、1日7~8時間です。睡眠時間が短すぎると深い眠りが減り、10時間を超えると睡眠の質が悪くなります。 

林氏によると、深い睡眠は記憶を定着させ、脳内に蓄積された神経毒や、異常なタンパク質を除去し、認知症のリスクを軽減するといいます。 

6.ネガティブな感情、過度のストレス 

ネガティブな感情やストレスは、脳の神経や細胞に炎症を起こします。 

アルツハイマー病協会の機関誌『Alzheimer’s & Dementia』に掲載された研究によると、ネガティブな思考が続くと、アルツハイマー病の初期症状の1つである、短期と長期の記憶力の低下につながります。また、ストレスが長引くと、脳が常に疲弊してしまいます。 

逆に、ポジティブな気分を保つことは、脳を含むすべての臓器の免疫系や、循環系に良い影響を与えます。ロブサン氏は、社交的になって、ダンスや歌、気功など自分の趣味を持つことを勧めています。新しいことを学ぶことは、脳細胞の活性化につながります。 

7.運動不足 

加齢に伴い、大脳皮質は徐々に縮小していきます。体を動かさない人は、年齢を重ねるごとに脳の縮小が進み、認知機能が低下していきます。 

米国神経学会(AAN)は今年、定期的な運動が脳の縮小を遅らせ、運動量に応じて増大することもあると報告しました。 

ハワイのホノルルーアジアエイジングスタディでは、1日の歩行距離が400m未満の人は、400m以上歩行する人に比べて、アルツハイマー病を発症する確率が2倍以上になることがわかりました。 

(翻訳・呉 思楠)