電気もない時代 クレオパトラの装飾品はどのようにメッキ加工されたのか?

大昔の人が電球を使っていたり、メッキの技術を使ってアクセサリーを作ったりしていたとしたら信じられないことです。 古代に電気や電球はあったのか? 考古学者は、世界各地の発掘で驚くべき発見をしています。

クレオパトラの古墳からは、メッキ加工されたジュエリーをはじめとする美しい装飾品が多数発見されています。

ファラオ時代のほとんどの女性たちは美を愛し、装飾品を身につけていました。 しかし古代エジプトの装飾品の多くは、合金製のジュエリーにメッキを施したもので、電気がなければ、このようなことはできません。
 

電灯の模様は壁画の中にある

19世紀、考古学者ノルマン氏は、エジプト最大のピラミッドをを訪れた際、古代エジプト人が壁画を彫る際に使った照明器具は何かという疑問を抱きました。考古学者たちは洞窟の中に火の痕跡を発見していないことから、太古の時代には松明やオイルランプではなく、おそらくバッテリーランプのようなものが使われていたのではないかと考えています。

考古学者はエジプトの大ピラミッドの穴の中で、古代エジプト人が壁画に電灯と電池を使った記録を残しているのを発見しました。彫刻された壁画の中には、明らかに古代の電池と電灯のような図形が描かれています。学者の中には、4000年以上前にエジプトでピラミッドを建設する際に、バビロニア電池灯が使われていたと結論づけた学者もいます。

研究者たちが様々な研究や比較を行った結果、古代エジプト人が作った電球は、「クルックス管」を組み合わせたものに似ていることがわかりました。

クルックス管というガラス管は空気が非常に薄い真空管で、ガラス管の中の空気の薄さによって、電気を通すと色が異なります。洞窟の壁画には、古代エジプト人がこれを応用して電気や照明を作り出したと描かれています。

太古の電池の発見

今から40年以上前、ドイツの考古学者ヴィルヘルム・ケーニヒがイランの博物館で古代人類の産業用電力の証拠を発見しました。イラクの首都バグダッド近郊の有名な丘にあるパルティア遺跡が、博物館の研究者によって発掘されています。

その発掘調査では、陶土製の口の太い瓶が多くあり、その首はアスファルトで覆われ、鋼の円筒に鉄の棒が挿し込まれているという不思議な物体が発見されました。ケーニヒ氏はこれを現在の電池に似ていると思い、後にその円筒は「バグダッド電池」と呼ばれるようになりました。

科学者たちは、古代に使われていたこの古い電池が、バグダッドのパルティア人(紀元前250年頃から紀元後224年頃まで)によって作られたものであることを発見しました。

科学者が古代の電池をシミュレートし、電化に成功した

第二次大戦後、アメリカ・マサチューセッツ州ピッツフィールドのゼネラル・エレクトリック社の工場で、ウィラード・F・M・グレイという科学者が高圧実験室で二千年前と同じやり方でこのバグダッド電池を再現しました。彼が古い電池の模型を電流計につないで、スイッチを入れる時、本当に電流が発生しました。

グレイ氏が複製した二千年前の電池の模型は、半ボルトの電圧を発生させ、18日間働き続けました。

太古の宝石職人がどのような電解質でメッキしていたのかは、いまだに解明されていませんが、このバグダッド電池を模した実験はバビロニア人が実際に電気を使っていることを証明しています。

また、今日のイラクのバビロニアにある古代バビロニアの遺跡では、より多くのメッキ品が発掘されており、考古学者はその大昔にメッキ技術があったと推測しています。アン・トーマスは書籍『失われた文明』の中で、ショレット博士は古代エジプトで電気装置が使われていた証拠を発見したと述べています。
 

万年不滅の灯

世界各地で発見された古墳の中で、最も驚くべきものは照明灯で、その多くは発見されたときにはまだ光っていました。

考古学者が多くの地域で発見した古い神殿の遺迹には、長い間消えない明かりがいくつもあります。「聖者」として崇められたアウグスティヌスは、風でも水でもそれを消すことはできないと言っていました。

またローマの第2代王ヌマ・ポンピリウスの聖殿のドームに消えることのない不滅灯を灯していたと記録されています。

ではこの不思議な不滅灯は、どのように蓄電されたのでしょうか。考古学者はまだこの研究を終えていません。しかしこれまでの考古学的新発見は、現在の教科書に載っている現代の学説を打ち破るのに十分なものでした。 古代技術の真相は、散在する考古学的な遺跡からはいまだに解明されていませんが、古代の技術的な手がかりや文化的な豊かさは、私たちに多くの神秘的な芸術的な宝物を残してくれました。

(翻訳 源正悟)