人生の歩みの中で、出会う人、忘れ去っていく人、友人や仲間として寄り添ってくれる人がいるでしょう。人生を語るとき、よく使う言葉に「運命」があります。では、この「運命」とは一体何なのでしょうか?
ジーナ・セルミナーラ博士の著書『Many Mansions』(1950年)には、超能力者エドガー・ケイシー(1877~1945年)の前世リーディングでの話が紹介されています。
ここで登場する女性は、結婚したときは23歳の美しい女性で、前世のセッションを依頼したときは41歳でしたが、その年齢になっても美しく、彼女の夫は非常に成功したビジネスマンでした。しかし、結婚してから18年間、夫は性的不能でした。
ある人にとっては良い状況ですが、ある人にとっては人生の悲劇であり、現代社会では離婚の理由にもなり得ます。しかし、この女性は、夫を愛しており、夫を傷つけることが耐えられなかったのです。
結婚当初の数年間は、欲望に耐えられず不倫をしたりしていましたが、宗教的な考えや瞑想を通して、彼女は次第に自らの欲望を克服していきました。穏やかな日々が続き、ある日のこと昔の知り合いの男性が彼女の前に現れました。
10代の頃この男性は彼女を愛していました。しかし彼の経済が安定したときには彼女はすでに結婚していました。再会した時、二人は自分の気持ちを抑えきれくなりましたが、この女性は別れることを選びました。彼女は、良い夫と別れることに耐えられなかったばかりでなく彼女は、その男の妻を傷つけることにも耐えられなかった。彼女は誰も傷つけたくなかったのです。
この女性は前世を解読することで全てを知りました。彼女とその夫は、前世ではフランス人の夫婦でした。彼女の夫は、当時の宗教的熱狂の中で十字軍に参加していました。しかし、彼は出発する前に、妻に貞操帯を強制的に装着させました。このことで、妻の怒りは頂点に達し、今後、彼に復讐することを決意したのです。
そうして、二人は現世で再び夫婦となった。夫が性的な力を失っているのは、明らかに過去世からの報いです。現世では、女性は性的に不能な夫に嫉妬と屈辱を感じさせ、離婚するまで夫を苦しめるだけの力があり、夫は過去世の失態を償うことができるのです。しかし、現世では精神修行をして心のレベルを上げ、心の中の邪念を取り除き、愛欲への執着を捨て、思いやりのある善良な心を育て、悪しきカルマの連鎖に終止符を打ったのです。
地上の世界は夢のようです。
前世療法のケースでは、生まれ変わりが繰り返されていること、魂が肉体を離れるとこの世のすべてが夢のようであることを証言しています。この世の苦しみの中で恨みを晴らし、善良な心で欠点を補ってこそ、お互いの過去の人生の罪を償い、解決することができるのです。
二人は何度も人生を旅し、多くの生と死を経験して現世で再会したのだから、この稀有な運命を大切にして、二人の敵意を解消しないわけにはいかないのではないでしょうか。この稀有な運命を大切にして、恨みを晴らさないわけにはいかないでしょう。そしてこれが、この世で再び結婚する目的ではないでしょうか。
(翻訳・志水慧美)
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