「月のピラミッド」は「太陽のピラミッド」の向かい側にあり、構造も似ており、ただ、サイズはその半分以下となっています。太陽のピラミッドより高い位置に建設されているため、両ピラミッドの高さはあまり変わりません。
「月のピラミッド」はトルテカ(Toltec)人によって、月の神をまつる神殿として、太陽のピラミッドから約200年後に建設されたものです。高さ46mしかなく、4層構造になっていますが、頂上まで続く200段余りの階段の傾斜角度は、すべて異なっており、また、表面には色鮮やかなケツァルコアトル(羽毛のある蛇)の頭と、雨の女神の壁画が描かれています。
月のピラミッドの広場は、南北204.5m、東西137m、広場の中心には四角い祭壇があり、シンメトリー(左右対称)な建築となっています。また、テオティワカンの重要な宗教儀式はすべてここで行われたと思われます。
月のピラミッドは100tのコンクリートと石材で建設され、太陽のピラミッドと合わせて総重量は350万tに達します。学者の推測によると、これほど膨大な建築材料は、少なくとも1万5千人が休まずに30年間働いて、ようやく建設し終えるというのです。
メキシコの学者らは最新技術を用いて、太陽のピラミッドの内部を映し出し、太古の謎を解き明かそうとしています。
いずれにせよ、古代都市テオティワカン遺跡の精巧な壁画や、彫刻、色彩絵画、陶器など、全てがメキシコの先住民たちの宝なのです。
(つづく)
――正見ネットより転載
(作者・意文/翻訳編集・天野秀)
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