オランダ人写真家のワウト・デヨング(Wout de Jong)さんは、アジアの先住民族の文化を記録してきましたが、残念ながら、これらの文化の伝統的な方法の多くは衰退し、絶滅の危機に瀕しています。
2015年10月にモンゴルを訪れたデヨングさんは、かつて遊牧民として暮らしていたカザフの鷹匠たちの独特の雰囲気や技術、伝統の一部を撮影しました。そして最近、その一連の写真を発表しました。
(デヨングさんの写真はこちらから)
多くの写真家、宣伝業者、観光客が集まる毎年恒例のカザフのイヌワシ祭りは、この地域の伝統に影響を与えていますが、その裏には語るべき物語があるとデヨングさんは言います。
モンゴルのカザフ族の鷹狩文化は、彼らの祖先から受け継いだ習慣です。馬に乗って鷹狩りをするという独特の技術は今も彼らの誇りですが、かつての牧畜民は現在、主に農業と観光業に転向しています。デヨングさんは、そのレンズを通して、彼らのユニークな生き方のポジティブで美しい側面を写し出そうと試みています。
デヨングさん(65歳)は、参加者の1人と5、6世代に渡る鷹匠の家族と数日間を過ごし、欧米にはない独特の「思いやり」を体感しました。彼らの家には、鷲のモチーフや道具がたくさんありました。
「鷹が普通に生活している姿や鷹匠が自宅で生活している姿を見て、本当に感動しました」と「大紀元時報」に語っています。
「鷹は家族の一員のようなもので、餌をやり世話をするのは、実に興味深いものです」
「彼らはいつも若い雌を使い、巣から出してから訓練を始めます」
「彼らは約8〜10年間一緒に暮らし、その後自然に戻して繁殖させるという伝統に従っています」とデヨングさんは述べています。
大会の背後にある伝統については、「スキルの問題だ」と言っています。
デヨングさんは、現在のカザフ族は2つの世界の狭間にいると言います。一方で、古い伝統に誇りを持ち、他方で現代社会の影響や世俗的な政治の影響を受けています。しかし、毎年開催される鷹狩り大会は、こうした先住民族の子孫にとって、今でも大きな刺激となっています。
「この地域最大の文化イベントだと思っています。大会には60~70人のイーグルハンターが参加していると思います」「2015年、彼らは生きたキツネの捕獲を断念し、頭蓋骨や切り取った毛皮のみを使用しています。観光には不向きですが、それが彼らの伝統なのです」とデヨングさんは言います。
選手が鷹とどう接するか、着ている服、乗っている馬など、外見や気迫も競技の重要な要素だといいます。
「このフェスティバルには浮き沈みがありますが、私はとても気に入っています。100人の出場者がいても、鷹はいつもすぐに飼い主を見つけます」とデヨングさんは語りました。
アジアの文化、特にチベット仏教が好きなこのオランダ人写真家は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)発生後に中断されたこの物語を紡ぎ続けるために、モンゴルに戻ることを望んでいます。
(翻訳・李明月)
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