人に褒められた後に必ず「そんなに頭よくないです」「私ってダメなんです」と、一見謙遜したようなことを言う人がいます。しかし、実際には、その人たちはあらゆる面で優秀であっても、その言葉が自分を「卑下」しているのです。
このような人は、自分を否定し、自分の長所を見出せない傾向があります。もちろん、他人からの期待に応えられないことを恐れている場合もあります。このような精神的なプレッシャーがかかると、このタイプの人は自分に厳しくなりすぎて、なかなかリラックスすることができないのです。
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人に言わないことは、自分にも言わないこと
昔、友人と遊び半分でタロットカードを占ってもらいに行った事がありました。その時2回カード引いた中で、2回とも「自分に自信がない人」というカードを出たときは驚きました。自分では人より自己肯定感や自分への愛が強いと思っていたので、その結果を見ても、半分信じていませんでした。しかし一緒にタロットカードを読んでいた友人が突然こんなことを言い出したんです。
「実際、自分を卑下している時がたまにある。謙虚すぎるのもまた、病気だよ」
まさか友人にそんなことを言われるとは思ってもいなかったので、普段自分がどのように自分を表現しているのか、本当に自分に誇りを持っているのか、その時をきっかけに真剣に考えるようになりました。考えてみると、自分では気づかないうちに「自分はダメな人間だ」「頭が悪い」「私が手伝ったからではなくて、あなたが成長したから」などを、頻繁に言っていたことに気づかされました。
その理由を分析した結果、私の成長過程と関係があることがわかりました。母は長女である私に過大な期待をし、私が何をやっても満足しませんでした。
母はこの厳しい社会で私が生きていくためには、厳しい教えをするしかないと考えたのでしょう、不満があると「近所の子どもたちはみんなうまくやっているのに、どうして貴方はうまくいかないの」と怒鳴っていました。
「どうしてこんな風に育ってしまったの?」 私が誰々に褒められたというと、母は「馬鹿なことを言わないで、そんなの口先だけ」と言うのです。褒められて嬉しかった私は母のその言葉を聞いて落ち込んでいました。
母のおかげで、小さな成功体験に浮かれることなく、客観的に自分を見ることができるようになりました。「過度な謙遜は病気」という言葉を聞いたとき、私は知らず知らずのうちに自分を卑下していたことに気づかされました。
不眠症で受診する人の多くは、受診前に自分を「眠れない人」だと思い、その夜どうやって眠ろうかと悩むと精神科医は言っていました。つまり、不眠に対する患者さんの悩みが、実は自律神経を刺激して不眠を引き起こしているケースがほとんどなのです。
冗談でも、心配事や悪い言葉を自分の口から言わないこと。 このアドバイスは何気ないことではなく、どうせ言うなら良いこと、ポジティブなことを言うように心がけてはいかがでしょうか。
(つづく)
(翻訳:香原咲)
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