女性にとって、紫外線は肌老化の重要な原因の一つです。日本で行われた調査によると、約9割の女性が気づかないうちに日焼けをしていた経験があり、その中でも意外と露出の多い首筋、手足、腕が最も日焼けしやすい部位であることが分かっています。紫外線から身を守り、紫外線ダメージを軽減するにはどうしたらよいでしょうか?日焼け止めを安全に使うにはどうしたらいいでしょうか?
私たちの身の回りにある紫外線の正体
紫外線は、実は一年中私たちの肌に降り注いでいるのですが、5月から9月にかけて長波長紫外線UV-Aが最も強くなり、夏場はより深刻なのです。
紫外線は反射・散乱しやすいため、私たちが受ける紫外線の約半分は、肌に直接当たる太陽光ではなく、地面や空気中の粒子で反射・散乱しているものです。そのため、曇りの日の紫外線量は晴れの日の半分、日陰の紫外線量は日の当たる場所の半分と言われており、直射日光が当たらない場所でも注意が必要です。
屋外では、直射日光による紫外線のほか、海やプール、スキー場などでは反射も強く、中には通常よりはるかに強いものもあります。
日本の気象庁のデータによると、地表からの紫外線の反射率は以下の通りです:
紫外線反射率:アスファルト面:10%、水面:10%~20%、砂浜:10%~25%、新雪:80%。
日焼け止めのSPFとPAの意味は?
日焼け対策は、日焼け止めを塗るだけでなく、つばの広い帽子や長袖の服、日傘を着用することが大切です。日焼け止めの場合、シーンによってサンプロテクションファクター(SPF)が異なります。日焼け止めに記載されている「SPF」や「PA」の数値は、日焼け止めの効果を示す指標です。
SPFは紫外線のUVBを防ぐ効果を測定する指標です。この種のUVBは波長が比較的短いですがエネルギーは強いです。太陽の日差しが特に強い日は、短時間で皮膚に日焼けや赤みを引き起こし、皮膚の腫れと痛みの原因となります。SPF値が高いほど、日焼け防止効果が高くなります。
PAは、日本の日焼け止めのUVA防止効果を測定する指標です。UVAは、透過力の強い紫外線の一種です。天候に関係なく、一年中身の回りにあります。UVAを長時間浴びると、メラニンの形成、肌のしわやたるみ、肌の老化が促進されます。PAの後ろの+の数が多いほど、日焼け防止効果が高くなります。
注意したいのは、保護レベルが高いほど肌への負担が重くなるということです。そのため外出の用途に応じて、柔軟に選択する必要があります。
1.日常の買い物、散歩
PA++以下、SPF20以下の日焼け止めが適しています。
2.アウトドアスポーツ、レジャー
PA++以上、SPF10~35の日焼け止めが適しています。
3. 暑い時期のアウトドアレジャー、休日、長時間のスポーツ
PA++〜PA ++++、SPF30~50の日焼け止めが適しています。
4.紫外線に敏感な方、強い紫外線環境下にある方
PA ++++以上、SPF50以上の日焼け止めが適しています。
日焼け止めの使用方法
外出時に日焼け止めを塗ったのに、日焼けしてしまうことがあります。日焼け止めの効果を最大限に発揮させるためには、用法用量を守り、正しく肌に塗ることが大切です。日本のメーカー「花王」のホームページによると、次のようなポイントがあるそうです。
1. 適量を使用する
日焼け止めを使用する際は、製品に表示されている量を目安にご使用ください。使用量が少ないと、効果が得られない場合があります。
2. 均一に塗布する
日焼け止めを適量手に取り、少しずつ肌に塗ります。特に顔には、指の腹を使ってムラなくのばすとよいでしょう。手のひらで塗ると、日焼け止めが手のひらに残ってしまい、均一に塗り広げることが難しくなります。また、日焼けしやすい部分には重ね塗りをし、落ちやすいのですでに塗った部分はあまりこすらないようにしてください。
3. 塗り残しがないように
特に耳や首の後ろ、腕の袖の近くなどは、塗り忘れる人が多いようです。
4. 2〜3時間後に再塗布する
最初はしっかり塗っても、汗を拭いたり、衣服に触れたりすると、日焼け止めが取れてしまうことがあります。長期的な効果を得るためには定期的に塗布することです。
2〜3時間おきにこまめに塗り直すことが大切です。塗り直す前に、ティッシュや綿棒などで肌の汚れや汗をやさしくふき取ってください。
正しい日焼け止めの選び方
現在、市販されている日焼け止めは、大きく分けて「物理的日焼け止め」「化学的日焼け止め」「物理的・化学的複合日焼け止め」の3種類があり、その日焼け止め原理によって効果に違いがあります。
1. 物理的日焼け止めは、日焼け止め成分(酸化チタン、酸化亜鉛など)が皮膚の表面に保護膜を形成し、紫外線を反射または散乱させて日焼けを防ぐという原理に基づいています。この方法は、よりマイルドで安全性が高く、敏感肌の方にも適しています。ただし、顔のテカリや白浮きは残ります。
2. 化学的日焼け止めとは、通常ジフェニルケトン、フムラネート、シノキサネートなどの成分を含み、肌がダメージを受ける前にこれらの成分が紫外線を吸収するよう設計されたものです。これらの日焼け止めは通常、つけ心地は軽いですが、肌への刺激が強く、また頻繁に塗り直す必要があります。
3. 日焼け止めの安全性と肌への使用感を両立させた「物理的・化学的複合日焼け止め」は現在、市販されている日焼け止めの大半を占めています。
(翻訳・香原咲)
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