中国で新たな動物由来ウイルスを発見=世界的医学誌 

2022/08/08
更新: 2022/08/08

世界で最も権威ある医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」は4日、中国やシンガポールなどの専門家から構成する調査チームが、山東省と河南省で新たな動物由来ウイルスを見つけたと発表した。台湾の専門家は、ウイルスの変異でヒトからヒトへ感染する可能性があると警告した。

NEJMによると、見つかったこの新種のへニパウイルス(Henipavirus)は、ランヤウイルス(Langya virus、LayV)と命名された。

調査チームは両省で感染症例35件を確認した。そのうち26件からLayVだけを検出したが、他の9件からは他のウイルスも検出。

感染者26人に発熱、倦怠感、咳、嘔吐などの症状があり、肝臓と腎臓の機能障害も確認された。現段階では死者は出ていない。

現時点で、ヒトからヒトへ感染する能力を示す証拠は見つかっていない。同ウイルスはパラミクソウイルス科のマイナス鎖RNAウイルスである。25種類の動物を調べたところ、ヨーロッパトガリネズミ(Sorex araneus Linnaeus)の血清の抗体陽性率は27%に達したため、ランヤウイルスの自然宿主と推測される。

台湾メディア「三立新聞」によると、台湾の感染症専門家、黄立民医師はランヤウイルスの宿主が哺乳類であることから、「野生の鳥から由来するウイルスと比べてさらに厄介で、ヒトからヒトに感染し変異する可能性は一段と高い」と指摘し、今後中共ウイルス(新型コロナウイルス)のように世界的に大流行する可能性を排除しないとした。

中国政府は現時点で、ランヤウイルスについての感染情報を開示しておらず、国民への注意喚起も行っていない。

張哲
張哲