研究:ジャンクフードをよく食べるほど、健康的な食べ物が嫌いになる

高糖分・高脂肪の食事は肥満、高血糖などの一連の健康問題を引き起こしています。最近の専門家の研究では、このような食事は人々のに影響を与え、依存性があり、頻繁に食べる人ほど、健康的な食べ物が嫌いになることが分かりました。

アメリカのイェール大学とドイツのマックス・プランク代謝研究所の共同研究によると、高脂肪・高糖分の食べ物を頻繁に摂取することで、人々の脳が変化し、脳の報酬系回路が再構築されるといいます。このような脳の変化により、人々は無意識のうちに高脂肪・高糖分の食べ物を好むようになります。

研究チームは、体重が正常な被験者49人を2つのグループに分け、通常の食事に加えて、1つのグループは糖や脂質が高いプリンを、もう1つのグループは同じカロリーの低脂肪のプリンを、それぞれ1日に2回、8週間続けて摂取しました。さらに、試験開始前と試験期間中に、被験者の脳活動を測定し、BMI、空腹度スコア、血液指標を評価しました。

8週間後、研究者は、糖、高脂質のプリンを摂取した人々の脳は、高脂質、高糖の食品に対する反応が大幅に増加し、低脂質食品に対する好みが顕著に低下したことを発見しました。

そして、脳活動のMRIスキャンの結果から、糖や脂質が高い食事が、同じ類の食品に対する神経反応、特に報酬系領域を活性化させるドーパミン系を増加させ、脳に変化をもたらし、食物の好みを変えることが示されました。

しかし、これらの変化は体重や代謝パラメーターの変化とは無関係でした。試験期間中、高脂肪、高糖の被験者の体重は、対照群の人々と比べ増加は見られませんでした。血液検査指標(血糖やコレステロールなど)も変化はありませんでした。

しかし、研究者たちは、このような脳の反応が研究終了後も続くことを指摘しています。なぜなら、食物に対する新しい報酬系回路が脳内に形成され、短期間で消えることはないからです。

この研究に参加したイェール大学医学部の現代食事と生理学研究センター所長ダナ・スモール(Dana Small)博士は、初めてこの研究が食事の小さな変化で脳の報酬系回路を再構築し、過食や体重増加の長期的なリスクを高めることを示したと述べています。

高脂肪、高炭水化物食に対する人々の嗜好を薬物依存症と同一視しているスモール博士は、この研究によって、従来考えられていた遺伝的影響や環境的影響だけでなく、習慣的な要因も肥満をもたらすことを示したと指摘しています。

この研究結果は、3月22日に「細胞代謝」(Cell Metabolism)という雑誌に掲載されました。