6月26日、インド洋に位置する島国、スリランカは動物愛好家から強い抗議と訴訟を受け、中国へ絶滅危惧種である猿、「トクモンキー」約10万頭を輸出する計画を中止すると発表した。
スリランカ野生動物保護部(DWC)は26日、控訴裁判所に対して、猿を中国へ輸出する計画は進めないと伝えた。この訴訟は30人の野生動物や環境の活動家によって提起されたものである。
裁判所関係者はAFPに対し、「州検察官がDWCの代表として裁判所に通知し、猿を中国や他の国へ輸出する予定はないと説明した」と伝えた。
野生動物愛好家たちは、政府の輸出停止決定を歓迎した。彼らは短い声明で「これはスリランカの野生動物保護にとって良い結果である」と述べた。
スリランカの農業大臣、マヒンダ・アマラヴィラ(Mahinda Amaraweera)氏は4月に、地元の猿「トクモンキー」10万頭を中国の動物園に展示するための輸出を審査する委員会を設立したと明らかにした。
トクモンキーはスリランカ固有の種で、頭頂部の体毛が放射状に伸びているから地元の人々に、女性が被るつばのない帽子を意味する『トーク帽サル』」と呼ばれている。この猿はスリランカ全土に広く分布しており、スリランカでは保護動物ではない。
スリランカは2023年に、保護動物リストからいくつかの種を削除した。この中には3種類の猿と孔雀が含まれていた。しかし、国際自然保護連盟(IUCN)は既にトクモンキー猿を絶滅危惧種にリストアップしている。
そうした中、中国からスリランカに猿を輸入したいという話がきた。
アマラヴィラ氏は6月に、中国当局が中国の1000の動物園に猿を導入したいと望んでおり、それにより動物による農作物の破壊問題も解決できると述べた。
一部のメディアは、中国側が医学研究のためにスリランカから大量の猿を輸入したいと考えている可能性があると報道している。
スリランカは460億ドル(約6兆6千億円)の外債を抱えており、2022年4月に破綻を宣言し、2023年3月には国際通貨基金(IMF)に救済を求めている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。