[東京 8日 ロイター] – 松野博一官房長官は8日午後の会見で、日本企業がかかわる民生品の軍事転用を防ぐため、厳格な輸出管理を行っていく必要があるとの見解を示した。
8日付日本経済新聞朝刊は、日米欧などの工作機械が中国などの核開発などに転用された疑いがあると報道した。
この点に関し、松野官房長官は「個別の調査に関する具体的なコメントは差し控える」とした上で、一般論として「国際輸出管理レジームにおける合意等を踏まえ、厳格な輸出管理を行っていく必要がある」と述べた。
さらに「具体的には工作機械を含め、民生品であってもその仕様、性能により外為法の規制対象に該当する場合があり、そのような民生品を輸出する場合には、許可の取得が必要とされる」と説明した。
また、仕様や性能が規制対象に該当しない場合でも、輸出時点で大量破壊兵器等の開発・製造に用いられるおそれがあることを輸出者が認識している場合や、経産相から許可申請をするべきと通知を受けた場合は「いわゆるキャッチオール規制(補完的輸出規制)によって許可を取る必要がある」との見解を示した。
その上で「軍事転用を未然に防ぎ、国際社会の平和および安全の維持を期する観点から、関係各国とも連携しつつ、厳格に輸出管理を実施していきたい」と述べた。
日経新聞は、記事の中で中国の核兵器開発を担う国家機関が日米欧諸国から先端技術を得ていた可能性があることが分かったと指摘している。
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