甘い飲み物の愛好者必見!慢性肝疾患や肝がんのリスク急増にご用心(1)

毎日習慣的に缶飲料を飲んでいますか? そうであれば、注意してくださいね。慢性肝疾患や肝がんが近づいている可能性があるのです。

砂糖入り飲料の摂取は肥満やインスリン抵抗性を引き起こす可能性が一般に知られています。しかし、米国医学会誌に掲載された最新の前向きコホート研究(臨床研究方法の一つ。対象者が疾病にかかる前に調査を開始する、つまり未来に向かって調査を進めるため、単に前向き研究 prospective study と呼ばれることもある)は、砂糖入り飲料が健康に与える悪影響を肝疾患に結びつけ、継続的にこれらの飲料を摂取する人々が、肝臓がんに罹患し慢性肝疾患で死亡するリスクが、めったに飲まない人々よりもそれぞれ85%および68%高いことを示しました。

大量に砂糖入り飲料を摂取することで、肝がんや肝疾患のリスクが急増するのです。

この研究は、ハーバード医学大学院およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院の科学者によって主導され、データは米国の大規模な前向き研究臨床データベースであるWomen’s Health Initiativeから得られました。このデータベースでは、50~79歳の閉経後の女性16万人以上の情報が、約21年間にわたって記録されており、2020年までの情報が集められました。

研究者は報告書で、「食事要因と肝臓がんおよび慢性肝疾患の死亡率に関する疫学研究は限られていますが、これは、砂糖入り飲料の摂取量と慢性肝疾患の死亡率との間に正の相関がある初めての報告です」と強調しています。

参加者は調査用紙に、砂糖入りや人工甘味料の入った飲料の量を記入しましたが、純果汁は含まれていません。これらの人々は3つのグループに分かれました。

– 月に3回未満の摂取
– 週に1~6回の摂取

– 毎日1回以上の摂取(1回の量は12液量オンスまたは355ミリリットルで、つまり1本の缶入り飲料の量です。瓶入りコーラは190ミリリットル)

砂糖入り飲料を常飲する人は、あまり飲まない人に比べて、肝臓癌を発症する可能性が85%、慢性肝臓病で死亡する可能性が68%高かった (Ushico / PIXTA)

結果からは、毎日1回以上の砂糖入り飲料を摂取する女性は、月に3回未満の女性と比べて、肝臓がんの発症率が85%上昇し、慢性肝病の死亡率が68%高いことが示されました。

ここで言及されている慢性肝病には、脂肪肝、肝線状線維化、肝硬変、アルコール性肝病、および慢性肝炎が含まれます。計算時には、年齢、人種、教育レベル、喫煙・飲酒の状況、ボディマス指数などの潜在的な肝病要因が排除されました。

既知の肝がんの危険因子にはB型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)感染、代謝異常、過度の飲酒、アフラトキシンに汚染されたピーナッツやトウモロコシなどの食品が含まれますが、「肝臓がん患者の約40%はこれらの危険因子を持っていない」ため、「肝がんと慢性肝病の死亡率を特定する食事の危険因子は非常に重要」と研究者は報告書で述べています。

(つづく)
 

李路明