冬期、特に寒い日には火鍋が人気です。しかし、火鍋はカロリーが高いため、食べるとお腹が膨れたり、消化不良を起こしやすく、体重や健康にも影響しかねません。今回は、太ることなく栄養満点でヘルシーに火鍋を食べるためのコツをご紹介します。
人類の調理器ができた頃から、水で食材を煮るという調理法がありました。火鍋を食べることは、中国文明において長い歴史を持っています。寒い冬に火鍋を食べる利点は、第1に胃を温めること、第2に痺れる辛さを楽しむこと、第3にバラエティに富むこと、第4に栄養がたっぷりで健康であることです。
1.鍋を選ぶ時のコツ: キャセロール鍋か焦げ付きにくいものを選ぶ
火鍋において、使用する鍋とスープ(出汁)を選ぶことは非常に重要です。味だけでなく、熱さ加減や栄養にも影響してきます。素材本来の味を閉じ込めることができ、スープの温度を一定に保つことができる、キャセロール鍋や焦げ付きにくい鍋を選ぶと良いでしょう。これらの鍋は、余分な油を加える必要がありません。
2.胃腸の弱い人は、辛いスープベースを避ける
スープベースは個人の好みや体質によって、辛いもの、あっさりしたもの、ベジタリアン向けなど、さまざまな味があります。辛いスープの素は体を温めますが、胃腸の弱い人や心臓血管系の病気にかかっている人には適していません。あっさりしたスープは口当たりがいいですが、ナトリウムの摂取量に注意する必要があります。ベジタリアン・スープは健康に良いですが、ビタミンB12の摂取もするようにしましょう。
3.食べる順番
火鍋を食べるときは、具材を食べる順番に気をつけましょう。脂肪分の少ない具材から先に食べ、次に脂肪分の多い具材を食べるようにしましょう。そうすることで、脂質の摂取を抑え、スープが脂っこくなるのを防ぐことができます。
(1)野菜を先に食べる
葉野菜、キノコ類、根菜類などの野菜から食べ始めることをお勧めします。これらの食材は食物繊維やビタミンが豊富で、満腹感を高め、消化を良くし、水分や栄養素も補給できます。
(2)スープを飲む
スープを飲みたいのであれば、野菜などを煮込んだ後のものを飲むと良いでしょう。この段階ではまだ、さっぱりとした味で、油分なども少ないです。
(3)タンパク質やでんぷん質を含んだ食材を食べる
肉やパスタなどのタンパク質やでんぷん質の食材はカロリーが高く、食べ過ぎると太りやすくなります。そのため、体重をコントロールしたいのであれば控えたほうが良いでしょう。また、この時にスープを飲み過ぎることは禁物です。スープは時間が経つとより油っぽく濃くなり、油分や塩分も増えるので、飲むのは好ましくありません。特に痛風や腎臓病の人はスープの飲みすぎに注意しましょう。
火鍋を食べるとき、タレと付け合わせも欠かせません。タレはより風味を加えることができ、付け合わせの食材は、味や栄養のバランスをとることができます。ただし、脂肪分やナトリウムの摂りすぎにならないよう、タレや付け合わせの野菜には注意が必要です。
4.付けダレはヘルシーなものを選ぶ
自家製付けダレがおすすめです。例えば、刻み唐辛子、バーベキューソース、サーチャージャン(主に台湾料理において使用される調味料。大豆油やにんにく、エシャロット、唐辛子、香味野菜、干しエビを原料とし、旨味と辛味をあわせもつ)など。好みに合わせて調理でき、脂肪分やナトリウムの量をコントロールできます。サーチャージャンを使う場合は、動物性脂肪の摂取を減らすためにベジタリアンのものを選ぶと良いでしょう。生卵を使う場合は、サルモネラ菌感染を避けるため、生卵の鮮度に注意しましょう。
5.副菜を一緒に食べる
副菜としておすすめなのは、ドライパイナップル、キュウリ、キムチなどです。これらは消化を助け、酵素やプロバイオティクス(善玉菌)を摂取できます。しかし、ナトリウムや糖分も含まれているので食べ過ぎには注意しましょう。
キムチやキュウリなどは消化を助けてくれます(photo-o.com / PIXTA)
6.食前・食後のツボ押し
火鍋を食べる前に食欲を抑えたいときは、耳の上にある飢点(きてん)のツボを押すのが効果的です。 火鍋を食べた後、お腹が膨れたり、消化不良を感じたら、手の内関を押すと良いです。
飢点のツボは耳の付け根にある突起のくぼみ付近に位置しています。ここを押すと満腹中枢が刺激され、食事の量を減らすことができます。体重を減らしたいときや食べ過ぎを避けたいときは、食事の15分前にこのツボを30秒間、少し痛みを感じるまで押すと良い効果が得られます。
●内関:胃の不快感を和らげる
飢点のツボは耳の付け根にある突起のくぼみ付近に位置しています。ここを押すと満腹中枢が刺激され、食事の量を減らすことができます。体重を減らしたいときや食べ過ぎを避けたいときは、食事の15分前にこのツボを30秒間、少し痛みを感じるまで押すと良い効果が得られます。
●内関:胃の不快感を和らげる
内関のツボは、手のひらをに向けた状態で、手と手首の境目にあるしわの真ん中から指三本分のところにあります。食後に膨満感を感じたり、胃痛を感じたりしたときは、このツボを1分間ずつ、気持ちが落ち着くまで押すと良いでしょう。
冬の屋外では暖かく安全に過ごしましょう
冬は寒いので、風邪や循環器系の病気にならないよう、暖かくして安全に過ごすことが大切です。 特にマフラーやダウンジャケットなどの厚着をして、冷たい風に当たらないように体を温めることをお勧めします。特に、レストランで火鍋を食べた後、上着を羽織らずに外に出ると、風邪や心筋梗塞の原因になりやすいのです。
●体の3つの部位を温める
漢方医によると、冬は「温める」ことが大切だといいます。特に、体において重要な部位、首、腹部、足の裏を温めることが重要です。この3つの部位をしっかり温めることで、内臓が冷え、内臓の効能に影響が出ることを防ぎます。さらには、脳卒中や心筋梗塞の予防にもつながります。
(1)首を温める
首には「風池」「風門」「風府」というツボがあり、ここから冷気が侵入しやすくなっています。そのため首をしっかりと温める必要があります。これは脳卒中を防ぐだけでなく、風寒から喉を守り、咳をしにくくする効果もあります。
(2)腹部を温める
腹部は体のエネルギーの源であり、腹部の温熱は脾臓と胃の消化機能を強化し、心筋梗塞になるのを防ぐ働きがあります。
(3)足の裏を温める
足の裏は人体循環の末端であり、心臓から最も遠く、多くのツボが存在する場所です。 足が冷えると末梢血管が収縮して血圧が上昇し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクにつながります。
加えて、家族に高齢の年長者がいる場合、三高(高血圧、高血糖、高脂血症)や心臓病の人は、より注意しなければなりません。なぜなら、これらの人々の心臓血管系は老化しており、柔軟性が十分ではないためです。低温と相まって心臓への負担が増大し、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなります。そのため、このような人はなるべく、寒さを避けるために、自宅や屋内で過ごすよう心がけ、人混みには行かないようにすると良いでしょう。
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