人類は長い間、松の木とそれが私たちを取り巻く自然界で果たす役割に魅了されてきました。神秘的で美しく、太古の歴史を持つ松は何百年、場合によっては数千年を生きることがあります。
松の仲間は125種類近く確認されています。その中には、世界で最も長生きする樹木や生物も含まれています。ブリストルコーン・パイン(Pinus longaeva)という木の一部は、約5千年という驚異的な寿命を持っています。
ヒトゲノムの塩基対(DNAの構成要素)が30億以上あります。それに対し、ロブロイ・パインという松の木は220億の塩基対を持っています。私たち人間の遺伝物質の7倍以上に相当します。
松の葉の効能と化合物の歴史
古代先住民は少なくとも何百年もの間、特定の松の木から採れる松の葉や様々な化合物を利用してきました。松の葉とその化合物の摂取は、私たちの免疫系、呼吸器系、循環器系、神経系に影響を与えます。
1536年にイロコイ族が探検家のジャック・カルティエの危篤の乗組員に与えたのは松の樹皮と針葉で、乗組員の壊血病の治療に必要なビタミンCを供給するのに役立ちました。
近年、特定の品種に含まれる多くの化合物で、松の葉や松の葉から作られたお茶は科学者、医師、健康やウェルネス(より良く生きようとする生活態度)分野の専門家から注目を集めています。
例えば、ストローブマツの葉は、栄養素、抗酸化物質、ビタミンC、エッセンシャルオイル、アミノ酸、フラボノイドを含むことが知られています。
シキミ酸は自然界に存在する化合物で、体内でさまざまな生理作用を引き起こすことが知られています。シキミ酸は、抗ウイルス薬オセルタミビル(販売名タミフル)の主要成分でもあります。
シキミ酸は、植物が重要な化合物を代謝するのを助ける代謝産物です。1885年にオランダの化学者ヨハン・フレデリック・エイクマンによって発見された「シキミ酸経路」の重要な要素です。
シキミ酸経路は生命にとって重要です。細菌、真菌、古細菌、藻類、一部の原生生物、および植物がビタミン、葉酸、および芳香族アミノ酸フェニルアラニン、トリプトファン、チロシンの生合成に使用する7段階の経路です。
フェニルアラニンとトリプトファンは必須アミノ酸に数えられています。つまり、他のアミノ酸のように体内で合成することができません。チロシンは、一部の人にとって合成が制限されることがあるため、条件付き必須アミノ酸とされています。
これらのアミノ酸は人間にとって重要です。有益な腸内細菌の助けを借りて、神経伝達物質やセロトニン、メラトニン、エピネフリン、ドーパミン、CoQ10、甲状腺ホルモンなどの化合物の生成を助ける効果があります。
言い換えれば、シキミ酸は私たちの健康と長寿を維持する長い生化学的プロセスにおいて不可欠な役割を果たしています。また、健康な血小板機能と健康な心臓血管機能をサポートする働きも示されています。
さらに、シキミ酸は動物実験において、腸や消化器系、髄鞘(ミエリン鞘)の機能をサポートすることも証明されています。ミエリン鞘は神経細胞を取り囲む脂肪物質で、神経細胞間の電気通信を「絶縁」する機能を持っており、神経細胞の電気活動を安定させます。
シキミ酸はまた、抗菌性、抗真菌性、抗ウイルス性、抗炎症性などの重要な特性を発揮することが判明しています。ある研究では、シキミ酸には大腸菌、プロテウス・ブルガリス、黄色ブドウ球菌、枯草菌、セレウス菌など、いくつかの病原性食品細菌を抑制する効果があることがわかりました。
シキミ酸、除草剤、消化機能
先に述べたように、シキミ酸はシキミ酸経路として知られる7段階の代謝プロセスの最終結果です。この経路は、除草剤として有名なラウンドアップの有効成分グリホサートなど、さまざまな除草剤によって悪影響を受けることが知られています。
グリホサートは世界で最も多量に使用されている除草剤のひとつです。近年、多くの研究や訴訟でその使用法が物議を醸しています。世界保健機関(WHO)によってクラス2Aのヒト発がん性物質に分類されています。
この除草剤は、重要なチトクロームp450酵素を阻害したり、p53遺伝子の機能を抑制したりするなど、いくつかの有害で注目すべき効果をもたらします。この特定の遺伝子は、科学者たちの間では「ゲノムの守護神」として広く認識されています。
シキミ酸経路に関して、グリホサートはこの7段階のプロセスを標的とし、EPSPS(5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素)という重要な酵素の働きを阻害します。EPSPSが阻害されると、タンパク質の生成に必要なアミノ酸の構築がブロックされ、植物は枯死します。
私たち人間には直接シキミ酸経路は存在しませんが、グリホサートは私たちの有益な細菌に有害な影響を与えるため、依然として私たちに影響を及ぼしています。
2021年、史上初のバイオインフォマティクス手法により、ヒトマイクロバイオームに含まれる真核生物の約90%、原核生物の80%以上の塩基配列が分類されました。
科学者たちは、人間の腸内細菌叢の中核をなす種の54%がグリホサートに対して感受性があるという驚くべき結果を発見しました、この数字は控えめなものであり、もっと多くの種が影響を受けている可能性があると考えられています。
グリホサートは腸内の多くの有益な細菌に害を与えるため、当然のことに、ガン、うつ病、肥満、糖尿病、消化機能障害などの不良健康状態が年々増加することが、グリホサートの広範な使用との関連が指摘されています。
松葉と除草剤を使わない農業
シキミ酸およびシキミ酸経路は、この地球上の生命維持に不可欠な役割を果たし、人間体内の微生物叢や私たちの健康全般に影響を与える重要な存在です。グリホサートのような合成除草剤は、私たち人間だけでなく、ミツバチや蝶のような受粉昆虫にも大きな影響を与えています。
私たちの食べ物、水、芝生、草原が合成除草剤で汚染されている現在、可能な限り有機栽培や持続可能な野生で収穫された食品を食べることは、合成除草剤が散布された食品の消費を減らし、腸内微生物叢の健康をサポートする一つの方法です。
腸内微生物、腸、免疫、呼吸器の機能をサポートするもうひとつの方法は、松葉とその中に含まれる有効成分を摂取することです。
アセント・ニュートリション(Ascent Nutrition)社は、野生で収穫されたストローブマツの葉をオーガニック・グリセリンで抽出した製品を販売する初の企業です。
世界中の何千人もの人々がアセント・ニュートリションの松の葉エキスの恩恵を受けています。それは特に冬の間、人間の免疫系、呼吸器系、脳、そして全体的な健康をサポートするのに最適な製品です。
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